チーズを買うときに……

僕は、それ程マニアという訳でもないのだけど、青カビでも山羊でもウォッシュでも何の問題なく食べられるので、チーズを食べることが結構ある。一昨日も、たまたま用事があって外出したときに、北野エースでカマンベールを買ってきたわけだが、ここに限らず、いわゆる高級スーパーといわれる店でチーズを買うと、どうにも不思議な気分にさせられるのである。

たとえばブリー・ド・モーを買うとしよう。ブリーは熟成してくると、キャベツの腐ったような独特の匂いを放つ。自分で熟成をコントロールして食べる手間はかけたくないので、程よく熟成が進んでいるものを買おうとするわけだけど、どういう訳か、僕が選ぶものには「200円引」とか「半額」とかいうシールが貼られているのである。

一昨日のときも、僕が買ったチーズには「200円引」というシールが貼られていた。しかも、棚の在庫管理をしている店員が、すんでのところでそれを回収するところだったのだ。これは一体、なぜなのだろうか?

この手の店で、まだそういうシールの貼られていないブリーを買うと、温度が上がってきても、芯のところが溶けないままだ。食べるとまだ乳の蛋白質が分解された旨味に欠け、フレッシュチーズに近い味のままだ。世間の人達は、これを買って熟成をかけて食べているのだろうか? おそらく9割方の人は、買ってその日に食べているに違いない。でも、僕にしたら、それはチーズの味を知らないのに等しいようにすら思えてしまう。

もちろん、熟成のかかったチーズを買ったら、それはそれで面倒なときもある。以前、AOC 認定の某カマンベールを買ったときには、バスの中で匂いが感じられて、いやーこれはちと迷惑だなあ、と反省したものだ。しかしねえ。日本って発酵食品が多い国のはずなのに。どうしてチーズに関してはこうなんだろう。まあ、食べ頃のものを安く買えるのは、僕にとっては非常に有り難いことなのだけど。

2014/09/30(Tue) 13:01:43 | 日記

Re:チーズを買うときに……

いつも楽しく拝読しています。トマスさん、うらやましい、200円引きチーズの在る店が、近くにあるのはラッキーですよ。好き者はそんな店をいつも探しています。そして運良く見つかったら、足繁く通って口福を堪能します。けど、いつのまにか200円引チーズは消え、見えない競争者の出現を知って、違う店探しに戻るのです。その間6Pチーズです。けど、それもおいしい。
guest(2014/10/02(Thu) 22:26:30)
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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