ど祭り・横並び・全体主義

先週の土曜が誕生日だったわけだが、誕生日らしい良いことというのがあまりなかった。土曜は休日出勤だったし、その後は教会で司会があってとんぼ帰りしなければならなかったし、正直懐具合もよろしくない。なんだかなあ、という誕生日だったわけだ。

ところが、愛知県、特に名古屋に住むようになってから、これがますますなんだかなあ、になってしまっている。その理由が「にっぽんど真ん中祭り」というイベントである。まあこのイベントを楽しんでいる方もおられるのかもしれないが、個人的にはこんなものを祭とか呼ぶのは御免被る。

Wikipedia のエントリにも書かれているけれど、そもそも

名古屋には島田豊年(名古屋ストトコ節などを振付)を開祖とする「日本民踊研究会」と言う日本民踊の中心的な役割を担う巨大な団体が存在する。当時、そのような地元の文化を知らない学生がYOSAKOIソーラン祭りに参加するために名古屋学生チーム『鯱』を結成し、北海道を模倣とした鳴子踊りを1999年に始めた(元々名古屋には鳴子文化は存在しない)。
つまり、これは伝統も地縁も何もない、まさに取ってつけた代物なのである。こんなものに金や時間を投入するんだったら、たとえば私の住んでいる辺りでは町会毎に山車を持っていて、祇園祭のようにお囃子が乘って山車が動く祭とか、そういうものがあるんだから、そちらに投入すべきだと思うわけだ。踊りたいって言うのなら郡上おどりなんて徹夜で踊るんだから、そっちに行けば良いだけの話なのである。

音曲にしたってそうだ。最近はこの手の祭の音楽はその筋の大家みたいな人がいて……ってことになってるらしいが、いや要するに打ち込みでしょう?横笛とかのソロは邦楽経験者が吹いてたりするかもしれないけれど、私が自作曲の録音やってる方がまだ生楽器の利用比率が高いよね。コンピューターミュージックに祭だ心意気だ魂だ命だって言われたって、全然ピンとこないんですよ、ええ。

まあ、そういう代物でも、それを楽しんでいる人がいることを否定すべきではないのかもしれない。しかしだ……この祭?のときに大津通辺りを歩いている人々のマナーが、そりゃあもう悪いんだよね。まず平気で横並び。カップルなら二人、三人連れなら三人で、五人いれば五人で、横に広く並んで、すれ違うのに全く避けようともしない。これは愛知県以外の地方や東京、大阪ではなかなか出喰わすことのない状況だ。カップルだったら、気付いた方が連れの手を引いたり、肩を掌で押したりして、道を開けることを促すのがむしろ普通でしょう。とにかくそれが全くと言って良い程にないのだ。たまーにそういう光景に出喰わしたときに訊いてみると「ああ、僕岐阜なんです」「私三重なんです」とか返ってくるわけですよ。

で、昨日はある CD を探しに出て、まず栄の HMV を見たらなくって、パルコのタワーレコードまで歩いていって、そこでもなくて、諦めてラシックの地下の成城石井でワインとチーズ、神戸屋でトゥルニュを買って夕食にしたわけなんだが、もうそれだけでうんざりしてしまう。街を使う、街を楽しむ、街に遊ぶ……そういうことの上で、とにかくこの「横並びが大好きな人々」は私にとって敵なのだ。

そして愛知県の夏は、とにかく湿気が殺人的な程に酷い。スーパーで買い物をしてから外に出ると眼鏡が曇ることがしょっちゅうなのだから、もう本当に不快だ。先の横並びと相俟って、私は厭な汗をふきふき行動することになってしまう。何なんだろう、この居心地の悪さは。せっかくの誕生日なのに。

2016/08/29(Mon) 15:33:45 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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