ワウ・無間地獄
2009年3月26日の日記に書いたけれど、僕はちょっと前の VOX V847 を持っていて、内部回路はイタリア製の VOX V846 と同じ特性になるように自分で作り替えてある(石もインダクタもコンデンサもモノはオリジナルと違うけれど)。僕はジミヘンやスティーヴィー・レイ・ヴォーン(でも彼が亡くなった日は覚えている……僕の誕生日だったからだが)のフォロワーというわけではない(好きだし結構よく聴く……意外に思われそうだな……のだけど)のだが、なにせ一般的なワウ(と言っていいのか?)は僕はこれしか使ったことがない。VOX は踏みしろが少ないから大変でしょうとか、色々言われることは多いのだけど、いいんですおそらく一生これ使うから。ちなみにワウはもうひとつ、BOSS PW-1(ロッカーワウ……ペダルにホール素子を使っていてガリが出ない)を持っている(これも実は隠れた名器だと思う)のだけど、やはり VOX のワウの方をよく触っている、というか、踏んでいる。
最近のミュージシャンで、ワウのプレイが上手いよなぁ、と思うのは、やはり誰が何と言おうともスガシカオなのだけど、彼は Ibanez WF10 を使っているそうな(ちなみにレッチリのジョン・フルシアンテも姉妹機の Ibanez WH10 を使っているそうで、そのためかこれらは中古相場で法外な値段がついているらしい……昔は貧者の友みたいな扱いだったのに)。意外にもスガ氏は普通はテレキャスをこの WF10 に通して、フルテンのミニアンプに突っ込んで弾いているんだそうな。だからまあ、ワウも人の好み次第であって、出す/録る音が良ければ何でもありなわけだけど。
で、標記の件に戻るけれど、このワウというエフェクターは、ペダルの踏み込みをラック & ピニオンでポテンショメータ(可変抵抗器)の回転に変えてやって、ワウの音色変化をコントロールしている(僕の二台目のワウ BOSS PW-1 の場合は、本体上部のセンサでペダル裏面に貼りつけられた磁石との距離を検出して同じことをしている)のだけど、ポテンショメータの回転角度は、ラックの全ての歯数より多くなっている(でないとポテンショメータが壊れてしまう)。だから、この噛合わせを、ワウが開いた方に寄せたり、逆に閉じた方に寄せたりすることができるのだけど、これをどうセッティングするかで、踏んだときの感じが変わってくるし、いわゆる「美味しい部分」を有効に使えるかどうかも決まってしまう。
で、このワウを手に入れてから一年の間、どうもしっくりこないなー、と思っていたのを、先日ちょこっと修正したら、なんだか今までより「美味しいところ」が使いにくくなってしまった。で、裏蓋を外した状態で、ちょっとずらしては踏み、またずらしては踏み……という無間地獄に陥っていたのだけど、これが、実は昨日ようやく解決したのである。いやー嬉しいなあ、と、まるで猿のように(?)踏んでいたりする。うーむ、面白い。でも、自作の曲等に使う機会が実は今までまるでなかったんだなあ。一体いつ使うのだろうか……ぉぃ。