Snuff Garrett
この何日か、麻薬絡みの話、ネット詐欺の話……どうにも嫌なことに触れてきたので、精神的によろしくない状態になっているような気がする。こういうときは……これこれ。Snuff Garrettだよ。
Snuff Garrett は、アメリカの有名な音楽プロデューサーである。この人はちょっと変わった立ち位置の人で、もともと DJ からプロデューサー業に移行したというキャリアも関係しているのか、自身では曲を書かない。ではどうするか、というと、音楽出版社から買ってくるのだけど、そのセンスと、完成品を構築する上でのセンスが非常によろしい。彼のキャリアの中で今に至るまで最も聴き継がれているのは、おそらくGary Lewis and the Playboysの作品群だと思うのだけど、たとえばこんなのを聴いていただくと、雰囲気がお分かりになりやすいかもしれない:
この "Everybody Loves a Clown" は、冒頭部のコード進行が大滝詠一の『君は天然色』と同じであることから、『君は……』の元ネタだと世間では言われているらしい。何でも何でも元ネタ元ネタだ、と、実に下らん話だと思うけれど、少なくともこの曲に代表されるような、グロッケンシュピールやヴィブラフォン、ウインドチャイムなどの「金モノ」、そしてハープシコードを上手く使った明るい曲調を、大滝氏が意識していたことは間違いないだろう。
そして、世間ではおそらくこちらの方がインパクトが大きいかもしれない:
この曲は同じく Gary Lewis and the Playboys の "Count Me In" という曲だけど、ピアノのオクターブのフレーズやフィルが、大滝氏の作品に色濃く影響を与えている。……いや、皆さん、それ以前に何か思い当たりません?これですよ:
この iPod nano の CM ソング、どう聴いても "Count Me In" のパクリだと思うんだけど。どうなんでしょうね、一体。