4 - 3 = 1, ≠ 0
明日から中国は一週間、「国慶節」と呼ばれる建国宣言記念の祝日に入る。この休日を控えた今日、中国当局に拘束されていた建設会社「フジタ」の日本人社員4人のうち、3人が解放された。解放されたのは、佐々木善郎、橋本博貴、井口準一の三氏で、現在もなお拘束されているのは高橋定氏とのことである。
中国政府は、この三人を解放した理由として「始末書を提出したため」と、所定の手続に則ったものであることを強調しているが、勿論こんなことが信用できるわけではない。昨日の blog にも書いたとおり、民主党の細野豪志議員が非公式に訪中しており、ここで何らかの交渉が行われた結果だと思われる。
しかしだなあ……中国で取材を受けた細野氏、「これは公式の訪問ではありません」と言いながら、外交部(日本の外務省に相当)の用意したクルマに乗ってたら、アンタ説得力ゼロだろうが。阿呆らしい。まあ、下らんことはどうでもいいんだけど、細野氏は小沢派の議員で、先日の代表選までは幹事長代理を務めていた。だから、小沢氏経由の中国のパイプをつてとして、現政権が中国に送った密使(と言ってもちっとも秘密になっていないんだが)とみて間違いないだろう。
そもそも中国に使者を送るなら、かつてアメリカが北朝鮮にカーター元大統領を送ったように、小沢氏を特使として送れば、中国側のメンツを保たせる上でも効果的だったはずなのだ。ただでさえ、民主党が中国に対してまともなパイプを持っていないことは、以前からよく知られているところである。そこで効果的な手を打てない辺り、管 = 仙石のタッグは、つくづく挙党一致から程遠いところにあるのが、これを見ても明らかであろう。
僕自身は、戦争はもうすべきでないと考えているし、憲法第9条に関しても、むしろこれを持ち続ける方がいいのではないかと考えている。しかし、だ。戦争をしないのであれば、戦争を行うに匹敵する外交力を駆使しなければ、日本という国は、この東アジアの地において到底たち行かないのだ。それは時に圧力をかけるようなことかもしれないし、第三者をうまく使ったかけひきかもしれない。いずれにしても、軍事力に代わる何事かで、毎年軍事費がうなぎのぼりの国と相対する、というのは、これは半端なことではない。
そういう意味において、現政権、特に内閣総理大臣と内閣官房長官は、あまりに問題意識と責任感がなさすぎる。外国人が見る日本人のステロタイプを体現している、としか言いようがない。そんなメンタリティーで国際社会の中でイニシアチブを握ることなど、到底能わざることなのだ。この期に及んでも尚、彼らはこんなことも分からないのだろうか。
Re:4 - 3 = 1, ≠ 0
外交なんかいう前に、日本はなぜアメリカの軍事費を批判しないの?米国は正義だから?