Miracle Patch ?

ここしばらくは、Linux の環境で2種類の kernel を準備する習慣になっている。安定版と最新版、ということで、前者は現時点では kernel-2.6.36。後者は現時点では kernel-2.6.37-rc2 なのだけど、この kernel-2.6.37-rc2、どうも DRM 関連に起因するらしき問題があって、僕の環境では X が起動しない。いわゆる snapshot(Git で管理されている開発版)ではこの問題が解消されているので、通常はあまり使わない snapshot 版を使用することにして、現時点では kernel-2.6.37-rc2-git7 を使用している。

最近の、たとえば Ubuntu しか触ったことがない、とかいう人々にとってはあまり一般的ではないのかもしれないけれど、なにせ slackware 以前から Linux を使用しているので、kernel は自分で make するもの、というのが染み付いてしまっていて、だから、こうやって何か書きものをしながら傍らで make している、というような状態になっていることが多い。昔は一晩がかりだった kernel の make も、今や1時間もかからずにできてしまうので、これで何の問題もないわけだ。

snapshot 版を使う都合上、kernel の開発に関する情報にも目を通すようになってきたのだが、最近面白い情報を発見した。まずはこれをご覧いただきたい:

http://lkml.org/lkml/2010/10/19/123

tty ごとにタスクグループを自動的に生成することで、どうやら体感速度を向上できるというか、一種の最適化がなされるようにしよう、ということらしい。これには Linus も:

http://lkml.org/lkml/2010/11/14/222

にあるように、こんな短い(最初のリンク先の patch はわずか 233行しかない)patch で有効な結果が得られたことを驚き喜んでいるようだ。kernel-2.6.38 には merge されるという話なので、今後が楽しみである。

【追記】kernel-2.6.37-rc3 がめでたく release されたので、今現在はそちらに移行している。
2010/11/21(Sun) 16:16:58 | コンピュータ&インターネット
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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