threshold
今朝方のこと。僕は机の上に紙を置き、唸っていた。
この紙に印刷されている内容を電子化しなければならないのだが、OCR を試みた結果は散々なものだった。文中に特殊な記号が使われているからなのだけど、紙の枚数は A4 7枚にびっしり……という感じである。
たとえば、これが A4 1、2枚だったなら、OCR すら考えずに目で見て、手で打ち込んでしまうかもしれない。しかし、この分量は、普段だったら OCR を使おうかどうしようか、と悩む、丁度その境界線位の量である。これを打ち込むのかー……ということで、唸っていたわけだ。
あまり精神論めいたことを書きたくはないのだけど、技術的な意味で障害がある場合に、解決しなければならないことをどうやって解決するか……それを推し進めるには、何が必要か。おそらく、こういうときに必要なものは「覚悟」なのだろう、と思う。
「覚悟」というと、なんだか悲愴な響きに感じられるかもしれないが、そうではない。諦めなければならないところには見切りを付け、有限のリソースをどこに注ぎ込むのかを見極め、それに邁進する。場合によっては、退くことも選択肢から除かなければならないかもしれない。しかし、到達すべき点まで到達すれば、それは終わる。苦痛は永遠に続くわけではないのだ。そして、終わった後は、その苦痛の成果を前向きに活用できるはずなのだ。それらをはっきりさせて事に臨むのが「覚悟」なのだと思う。
というわけで、覚悟して打ち込みを始めて……先程終わった。校正はしなければならないけれど、英語の部分はスペルチェックをかけておいたので、その手間はそう大したものではない。この電子化したデータを、せめて今日の夜からは有効に活用することにしよう。