threshold

今朝方のこと。僕は机の上に紙を置き、唸っていた。

この紙に印刷されている内容を電子化しなければならないのだが、OCR を試みた結果は散々なものだった。文中に特殊な記号が使われているからなのだけど、紙の枚数は A4 7枚にびっしり……という感じである。

たとえば、これが A4 1、2枚だったなら、OCR すら考えずに目で見て、手で打ち込んでしまうかもしれない。しかし、この分量は、普段だったら OCR を使おうかどうしようか、と悩む、丁度その境界線位の量である。これを打ち込むのかー……ということで、唸っていたわけだ。

あまり精神論めいたことを書きたくはないのだけど、技術的な意味で障害がある場合に、解決しなければならないことをどうやって解決するか……それを推し進めるには、何が必要か。おそらく、こういうときに必要なものは「覚悟」なのだろう、と思う。

「覚悟」というと、なんだか悲愴な響きに感じられるかもしれないが、そうではない。諦めなければならないところには見切りを付け、有限のリソースをどこに注ぎ込むのかを見極め、それに邁進する。場合によっては、退くことも選択肢から除かなければならないかもしれない。しかし、到達すべき点まで到達すれば、それは終わる。苦痛は永遠に続くわけではないのだ。そして、終わった後は、その苦痛の成果を前向きに活用できるはずなのだ。それらをはっきりさせて事に臨むのが「覚悟」なのだと思う。

というわけで、覚悟して打ち込みを始めて……先程終わった。校正はしなければならないけれど、英語の部分はスペルチェックをかけておいたので、その手間はそう大したものではない。この電子化したデータを、せめて今日の夜からは有効に活用することにしよう。

2011/09/09(Fri) 16:06:42 | コンピュータ&インターネット
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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