MS明朝・MSゴシックをちょっと見直す
今日、TeX Live のメンテをしている最中にふと思いついて、OTF パッケージで Adobe-Japan 1-6 の全ての文字を表示させる .tex ファイルを簡単なシェルスクリプトを書いて生成して、dvipdfmx で小塚フォント、ヒラギノフォント、IPA フォント、そして比較材料として MS 明朝・MS ゴシックフォントを用いてフォント埋め込みを試験的に行ってみた。
まず断っておかなければならないが、これは厳密にはフォントの使用許諾事項に違反する。Microsoft は自社の OS の範疇以外で、自社のシステムに付属するフォントの使用を認めていないからだ。今回は、あくまでも実験であって、生成したファイル等は実験終了後速やかに消去しているので、念の為。
さて、では結果がどうだったか、というと、実は Micosoft フォントは、ヒラギノに次ぐ位のグリフ数があることが分かった。某所でちらっと読んだ話だけど、Windows Vista の MS 明朝のグリフ数は約 16,000 個だそうで、これは確かに Adobe Japan 1-4 より多く、1-5 よりやや少ない程度である。ううむ、MS 明朝、思っていたよりもやるじゃないか。
まあ、でも、これはある意味当然かもしれない。そもそも MS 明朝や MS ゴシックは、最初から Microsoft が開発したものではない。これらのフォントの母体になったのは、リョービの写植用字体で、それをフォントに仕立てたのはリコーである。やや細身だし、モリサワフォントなどと比較すると業務用に使えるような代物ではないかもしれないが、素性の悪い代物ではないのである。うーむ…… Windows 上で dviout で出力すれば、合法的に Microsoft フォントを使えるから、もしもの場合の選択肢として、記憶しておくことにしよう。