尖閣防衛にオスプレイ?

世間には、奇妙なことを言う人が大勢いるようである。最近、「オスプレイ配備は尖閣防衛の切り札」などという記述をネット上のあちこちで目にするのだが、おいおい、本気でそんなこと言ってるのかね?

オスプレイが何のために使われるのかを、まず考えていただきたい。オスプレイは主に兵員を運ぶための輸送機である。それが投入されるということは、米海兵隊が人民解放軍と交戦状態になる、ということである。アメリカがそんなことをするか?否。それは何がどうなってもあり得ない。

抑止力としての効能を主張しているのかもしれないけれど、じゃあ C-130 があるからって抑止力になるだろうか? 空挺部隊や強襲部隊を投入する輸送機があるからって、それがプライマリーな抑止力にならない、という、そんな簡単なことも分からないのだろうか? いくら海兵隊が「斬り込み部隊」だと言っても、一定の制空権・制海権を確保しなければ、投入されることは有り得ない。つまり、海兵隊が動く前段階があって初めて、彼等は投入されるのだ。湾岸戦争が、イラク戦争が、海兵隊の投入で始まったかどうか、まず調べてみればいいのに、そんなことも分からないのだろうか。

もし尖閣周辺で米軍がプレッシャーを感じる程の事態になったとして、米軍がまず何をするかと言えば、当然空母の展開であろう。彼等はプレッシャーに応じて、相手に相応のプレッシャーを返すように、将棋の駒を置くが如く、海軍、特に空母のような航空機を即時展開できるものを配置する。なにせ人民解放軍は空母をようやく手に入れたばかりなのである。そんな相手に、どうしてオスプレイなのか。ここでその名が出てくることは「馬鹿の一つ覚え」以外の何物でもあるまいに。

いや、本当に、馬鹿は消えてくれよ。

2012/09/24(Mon) 21:23:40 | 社会・政治
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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