尖閣防衛にオスプレイ?
世間には、奇妙なことを言う人が大勢いるようである。最近、「オスプレイ配備は尖閣防衛の切り札」などという記述をネット上のあちこちで目にするのだが、おいおい、本気でそんなこと言ってるのかね?
オスプレイが何のために使われるのかを、まず考えていただきたい。オスプレイは主に兵員を運ぶための輸送機である。それが投入されるということは、米海兵隊が人民解放軍と交戦状態になる、ということである。アメリカがそんなことをするか?否。それは何がどうなってもあり得ない。
抑止力としての効能を主張しているのかもしれないけれど、じゃあ C-130 があるからって抑止力になるだろうか? 空挺部隊や強襲部隊を投入する輸送機があるからって、それがプライマリーな抑止力にならない、という、そんな簡単なことも分からないのだろうか? いくら海兵隊が「斬り込み部隊」だと言っても、一定の制空権・制海権を確保しなければ、投入されることは有り得ない。つまり、海兵隊が動く前段階があって初めて、彼等は投入されるのだ。湾岸戦争が、イラク戦争が、海兵隊の投入で始まったかどうか、まず調べてみればいいのに、そんなことも分からないのだろうか。
もし尖閣周辺で米軍がプレッシャーを感じる程の事態になったとして、米軍がまず何をするかと言えば、当然空母の展開であろう。彼等はプレッシャーに応じて、相手に相応のプレッシャーを返すように、将棋の駒を置くが如く、海軍、特に空母のような航空機を即時展開できるものを配置する。なにせ人民解放軍は空母をようやく手に入れたばかりなのである。そんな相手に、どうしてオスプレイなのか。ここでその名が出てくることは「馬鹿の一つ覚え」以外の何物でもあるまいに。
いや、本当に、馬鹿は消えてくれよ。