他人のせいにしてはいけない
TeX Live pretest も、正式リリースに向けて freeze されてからもう1週間位は経ったのだろうか。しかし、僕はついさっきまで、ひとつの問題に悩んでいた。LuaTeX がうまく動作しなかったのである。
症状は、LuaTeX のフォントデータベースが正常に作成されない、というもので、LuaTeX / LuaLaTeX からの呼び出しも、mkluatexfontdb コマンドも、どうも途中でエラーを吐いて止まってしまう。最初のうちは、また何か不具合でも……と思っていたのだが、そのうち pretest が freeze されても、何もそういう話は出てこない。ネット中を探し回っても、そういう話は他では聞かれないのである。
うーん、これはやはり、俺がポカをやっているのかなあ、時間のあるときにちゃんと検証しておこう、と思っていたのだが、今日はたまたま時間があって、shannon-x61 のシステムのフォントディレクトリを見ながらひとしきり考えた。ひょっとしたら、フォントの重複か何かが関係しているのではなかろうか……と。
僕の管理している Linux の端末は、/usr/share/fonts/truetype に TrueType フォント、/usr/share/fonts/opentype に OpenType フォントが入っている。これが TeX のシステムから見えるように、/usr/share/fonts/truetype の中身は /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/truetype/public/ 内に、/usr/share/fonts/opentype の中身は /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/ 内にシンボリックリンクを作成してある。
うーん……まず、重複している可能性が高いものというと、OpenType フォントなのに拡張子が .ttf である IPA フォント辺りかなあ、と調べてみたが、以前に重複は解消してあった。となると、アヤしいのは Microsoft 関連か……と、ふと Microsoft-splitted というディレクトリに目が停まった。これって……と中身を見ると、日本語関連のフォントがいくつか入っている。そう言えば、JIS の字体の絡みか何かで、古い Windows から抜き出したフォントをここに入れていたんだった……むむむ、これぁアヤしい! ということで、このディレクトリのシンボリックリンクを消去した。あと、最近日本語関連のフォントで Debian から入れているもののアップデートがあったので、fc-cache もかけ直しておくことにして、最後に texhash をかけておくことにする。
さあ、ではどうなるかな……おお! ちゃんとデータベースが作成される! 原因はやはりあれだったか! ということで、ここしばらくの問題がひとつ解消された。やはり、何事もまずは己を疑うべきなのであって、他人のせいにしてはいけないのである。