チーズを買うときに……
僕は、それ程マニアという訳でもないのだけど、青カビでも山羊でもウォッシュでも何の問題なく食べられるので、チーズを食べることが結構ある。一昨日も、たまたま用事があって外出したときに、北野エースでカマンベールを買ってきたわけだが、ここに限らず、いわゆる高級スーパーといわれる店でチーズを買うと、どうにも不思議な気分にさせられるのである。
たとえばブリー・ド・モーを買うとしよう。ブリーは熟成してくると、キャベツの腐ったような独特の匂いを放つ。自分で熟成をコントロールして食べる手間はかけたくないので、程よく熟成が進んでいるものを買おうとするわけだけど、どういう訳か、僕が選ぶものには「200円引」とか「半額」とかいうシールが貼られているのである。
一昨日のときも、僕が買ったチーズには「200円引」というシールが貼られていた。しかも、棚の在庫管理をしている店員が、すんでのところでそれを回収するところだったのだ。これは一体、なぜなのだろうか?
この手の店で、まだそういうシールの貼られていないブリーを買うと、温度が上がってきても、芯のところが溶けないままだ。食べるとまだ乳の蛋白質が分解された旨味に欠け、フレッシュチーズに近い味のままだ。世間の人達は、これを買って熟成をかけて食べているのだろうか? おそらく9割方の人は、買ってその日に食べているに違いない。でも、僕にしたら、それはチーズの味を知らないのに等しいようにすら思えてしまう。
もちろん、熟成のかかったチーズを買ったら、それはそれで面倒なときもある。以前、AOC 認定の某カマンベールを買ったときには、バスの中で匂いが感じられて、いやーこれはちと迷惑だなあ、と反省したものだ。しかしねえ。日本って発酵食品が多い国のはずなのに。どうしてチーズに関してはこうなんだろう。まあ、食べ頃のものを安く買えるのは、僕にとっては非常に有り難いことなのだけど。
Re:チーズを買うときに……
いつも楽しく拝読しています。トマスさん、うらやましい、200円引きチーズの在る店が、近くにあるのはラッキーですよ。好き者はそんな店をいつも探しています。そして運良く見つかったら、足繁く通って口福を堪能します。けど、いつのまにか200円引チーズは消え、見えない競争者の出現を知って、違う店探しに戻るのです。その間6Pチーズです。けど、それもおいしい。