いかにして僕が Todd Rundgren を聴くようになったか

僕が Todd Rundgren をよく聴くことを話すと、僕や僕の音楽を知る人は皆「え?」という顔をする。たしかに僕らの(そしてもう少し上の)世代の人々にとって Todd というと、やはり Utopia とかのイメージが強いわけで、あのプログレとハードロックの合成みたいな時代の Todd の音楽と僕とは、なかなか結び付けがたいものだろうと思う。

僕にとっての Todd の favorite album は何か、と問われれば、やはり "Something/Anything?" と "Runt: The Ballad Of Todd Rundgren" ということになる。この時代、Todd は顔に蝶のマスクをしてビラビラの服を着た、見た目は誰がどう見てもグラムロックの人みたいな格好をして、ピアノを弾きながらテレビで歌っていたりしたのである。あの Nick DeCaro が AOR の先駆けといわれる "Italian Graffiti" で "Wailing Wall" をカバーしていたりもする。こう書くと、実に意外に思われるかもしれない。いや、他ならぬ僕にとってもそうだったのである。

僕が中学か高校の頃に、藤井フミヤと RICACO(村上里佳子)が司会をやっていた、おそらく女子大生辺りをターゲットにしたと思しきテレビ番組があったのだけど、そのテーマソングを一聴して、僕はすっかり気に入ってしまった。しかし、この曲に関するクレジットが番組で出ることはなく、結局誰の何という曲か分からないまま、7、8年程前まで過ごしてしまっていた。勿論、その間もずっとこの曲を探し続けていたのだけど、どうしても見つからないままだった。

で、あるとき、仕事で秋田に行ったときに、夜に一人でバーで飲んでいたら、ふとした拍子にこの曲が有線でかかったのである。ただし、僕の聴いたものではなく、女性のヴォーカルであった……が、この声は間違えようがない。こいつぁ Keiko Lee だ。よし、手がかりができた。

その頃、ある CD 屋のチェーンが、店内のほぼ全ての CD の収録曲を試聴できるサービスを始めたところだった。聴きたい CD のバーコードをリーダーに読ませると、最初の10秒ほどを聴くことができるのだが、これでその店にあった Keiko Lee の CD を片っ端から聴いていくと……彼女の'98 年リリースの "If It's Love" というアルバムにその曲は入っていた。曲名は "I Saw The Light"。で、誰の曲だ、と見ると……なんと Todd である。その頃は僕も Todd といえば Utopia のイメージだったので、えー?となったが、とりあえず同じやり方で Todd のアルバムを探していくと……あの "Something/Anything?" の最初の曲なのであった。

このとき、ふと思ったのが、「最近の子達もこれ式の迷宮をさ迷わされそうな曲があるなぁ」ということであった。実はその少し前、あの曲たしかあのアルバムに入ってたんじゃないかなぁ……と、恐々 Lenny Kravitz の "Mama Said" を買って、"It Ain't Over 'Till It's Over" が入っていたのでほっと一息ついたところだったのである。最近の Lenny しか知らなかったら、彼がファルセットでこんな曲を歌っているなんて想像もできないに違いないだろうから(そういえば "Mama Said" に入っている "What Goes Around Comes Around" は明らかに Curtis Mayfield の "Pusherman" の影響を受けまくっているなぁ)。

まぁ、かくして僕は Todd を聴くようになったわけだ。ライブも行ったし。音楽にだけは飢えることがないのであった。

2009/09/03(Thu) 20:56:18 | 音楽一般
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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