もうひとつの検察審査会
民主党の横峯良郎参院議員を、皆さんご存知だろうか。横峯議員の娘の名前は、おそらくご存知だろう……横峯さくら。あの有名な女子プロゴルファーである。横峯さくらの父、ということで、先日の参院選のひとつ前、2007年7月29日投開票の第21回参議院議員通常選挙に比例区で立候補・当選した議員である。
あえてここに断言してしまうけれど、横峯良郎という人の政治家としての資質は、限りなくゼロに近い。それは、当選前後に何度となく確認された問題発言だけをみても明らかである。たとえば、投票1週間前の演説会において、年金納入をせずに虚偽の申告をすればいい、という旨の発言をしているし、当選後も、テレビ番組で赤城徳彦の事務所経費問題に関してコメントを求められた際に「事務所経費に関して先輩議員に聞いたら、飲食費だから領収書など出るわけがない、と言われた。政治家は皆そうだ」「民主党でも多分そうだと思う」という発言をして、同席していた原口前総務大臣が「それは事実に基づいていない」と訂正をしている。
僕も観ていたので鮮明に記憶しているのだが、この年の暮れに爆笑問題の番組に出演した際には、当時問題視されていた自身の不倫問題について追及されたのに逆上、共演者のやくみつるやテリー伊藤に暴言を吐いた。そして、自ら政治資金規正法に反する行為をしていたと口にし、それを追及されると「俺じゃねえよ、(娘の)さくらだよ」とうそぶいた。このときも原口氏が同席していた(今にして思えば、民主党は横峯氏のこういう部分を重々承知していて、原口氏を目付役として同席させていたような気がするのだが)のだが、原口氏はあまりのことに呆れ、「ちょっと本当にいい加減にしろよ」と横峯氏を怒鳴りつけたのだった。
横峯氏の不祥事として報道されているのは:
- 賭けゴルフ(本人も事実を認めている。公訴時効で訴追はされなかったが、民主党内で幹事長厳重注意の処分を受けた)
- 年金未納
- 不倫(本人も事実を認めている)
- 不倫相手の女性に対する DV(本人は否定、女性と報道元を名誉毀損で提訴したが、報道元は徹底抗戦の構えである)
横峯議員を聴取=検察審議決受け−関与を否認・東京地検
検察審査会が恐喝事件で飲食店経営会社役員の男性を「起訴相当」とした議決書で、民主党の横峯良郎参院議員(50)について「深く犯罪に関与している」と指摘したことを受け、東京地検は6日までに、横峯氏を任意で事情聴取した。
横峯氏側によると、聴取は9月下旬から10月5日にかけ、計5回行われ、同氏は関与を全面否認した。
東京第4検察審査会の議決書は、男性から相談を受けた横峯氏が、プロレスラーらを手配するなど恐喝を画策し、失敗すると「やり方がぬるい。もっとバンバンやれ」と指示するなどしたと指摘。「横峯氏が介入しなければ、おそらく事件は発生しなかったと思われる」とした。
その上で、横峯氏を聴取しなかった同地検の捜査を「あまりにも不平等、適正を欠いている」と批判していた。
事件では、東京都渋谷区の飲食店に押し掛け、飲食店経営者から現金約30万円を脅し取ったとして、男性やプロレスラーら6人が逮捕された。東京地検は、脅し取られた現金が返されたことなどから、昨年12月に全員を不起訴としていた。
(時事ドットコム, 2010/10/06-10:57)
……なぜこんなことになるのか。それは横峯氏がプロレス好きであることと関係があるらしい。横峯氏は前田日明の大ファンで、前田氏がかつてスーパーバイザーを務めていた団体であるBIG MOUTH LOUDの顧問に就任、前田氏が団体を離脱した後も現在に至るまで顧問に就いている。また、NEO 女子プロレスとも親交が深く、女子レスラーを連れて飲み歩く姿がメディアに流れたりもしているそうだ。
今回の件では、横峯氏が経営する黒豚しゃぶしゃぶ店でバイトしていたプロレスラーの橋本友彦、小坂井寛の二氏を含む6人が東京・渋谷区の飲食店へ押しかけ、暴言・居座りなどの営業妨害をした末に売上金約31万円を奪った、ということらしい。その後、奪われた金が返されたことから飲食店側は公訴を取下げ、東京地検は関係者を不起訴処分にしたものの、検察審査会は上に示したように「横峯氏が深く関与している」という判断を下したのである。
この件で、横峯氏は目下謹慎処分ということらしいのだが、静かにしていればそれでいいんですかね?こんな奴にも国会議員歳費が支払われているんですよ?国民の血税から。この件に関して、今日からの国会で追及されるべきだし、横峯氏は黙って歳費を戴いているのではなく、社会人として然るべき責任をとるべきだ。この件を小沢氏問題の陰に埋没させてはならないのである。