喉が……

いがらっぽい。昨夜毛布をかけずに寝て、明け方に寒くてかけ直した記憶があるので、そのせいかもしれない。

で、そのことを blog に書こうとして、ふと思ったのだ:「いがらっぽい」ってどういう意味か、と。いや、辞書に書いてあるような意味……たとえば「喉が刺激に弱くなっている」とか「不快な刺激を感ずる」とか……は分かるのだが、そもそも「いがらっぽい」という言葉の由来は何なのだろうか。存外、人はこうして日本語を知らないものである。

で、辞書をひいてみると……いやあ、今日僕は不明にして初めて知りましたよ。「がらっぽい」は「がらっぽい」の慣用表現だったのだ。漢字で書くと「蘞辛っぽい」である。もともとは「蘞辛い」(えがらい)という言葉があって、ここから派生して「蘞辛っぽい」と言うようになったようだ。辞書には漱石の『虞美人草』の一節が文例として引用してあった。

 黒い影は折れて故(もと)のごとく低くなる。えがらっぽい咳が二つ三つ出る。
「咳が出ますか」
「から――からっ咳が出て……」と云い懸(か)ける途端(とたん)にまた二つ三つ込み上げる。小野さんは憮然(ぶぜん)として咳の終るを待つ。
「横になって温(あった)まっていらしったら好いでしょう。冷えると毒です」
「いえ、もう大丈夫。出だすと一時(いちじ)いけないんだがね。――年を取ると意気地がなくなって――何でも若いうちの事だよ」

2011/05/30(Mon) 11:06:27 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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