口さがない人々
ちょっと前のことになるが、用事があって実家の母に電話をした。用件を話し終えたときに、母がふと、
「そういえば、あんた blog やってるんだって?」
と、こう言う。今更何を言っているのだろう、こちとら 1996 年から blog を……そもそも書き始めた当時は blog という言葉すらなかった頃だ……書いているし、そのことは両親共に知っていたはずだ。
「何か問題でも?」
「いや、お父さんの知り合いか誰かが見てるらしくて」
「はぁ。で?」
「何か、ギター弾いてる写真とか出してるって?」
はいはい。大体想像はつきましたよ。あれは三軒茶屋のライブハウスで「ベースを」弾きながら歌っているところを写真に撮られたのを貰って、それ以来アイコンとして使っているのだけど、それを見て何か下種の勘繰りをして、父か母に何事か言ってきた輩でもいるのだろう。
「で、何かそれが問題でも?」
「いやね、アンタ、そんなことで恥の上塗りを……」
「???楽器を弾くことが何か恥ずべきことだとでもいうわけ?僕はお天道様に顔向けできないような生き方はしていませんけど」
「……」
実の親にこれ程信用されていないのか、と、ただただ嘆息。そして、うちの両親に何を口さがないことを言ったのか知らないが、自分の目に入ったもので見えない部分を勝手に想像して何やかにや言う悪しき存在に、反吐が出る思いだ。何か言いたいことがあるのならば、どうして僕宛にメールのひとつも送らないのか。送れないんでしょ?下種な想像は想像のまま増殖させて、手近なうちの両親にちらちらその想像を披瀝して……あーやだやだ。つくづく下種な奴だな。死ねばいいのに。