たまにあるんです

猫と一緒に暮らしていると、パソコンの吸気部に必ずといっていい程毛を吸い込んでしまう。あと、ノートパソコンのようなパンタグラフ式のキーボードの場合、パンタグラフ型の連結部に同じように毛が絡み付く。だから定期的に掃除機でそれらを除去しなければならない。

現在この家にある掃除機は、ドイツのミーレ社製のもので、結構なパワーで吸ってくれる。これでファンを吸気側からがっつり吸い、キートップにホースを吸い付けた状態でくるくる回すようにしながら走査して、絡んだ毛を浮き出させて除去するわけだ。

ただし、パンタグラフ式のキートップというのは、キー上方から引っ張る力がかかると外れてしまう。だからちょっと気を抜くと、えらいことになってしまうわけだ。

今朝、体調が悪いので朝からうだうだしていて、でもパソコンがまた掃除するタイミングになってきたなぁ、ということで、掃除機を持ってきて吸っていたのだが、ホースをキートップから離すと……あ。Enter キーがない! えらいこっちゃ。

掃除機を止めて、中のフィルターバッグを外し、広告を何枚か取って一緒に持ってベランダに行く。このミーレの掃除機のフィルタはトラディッショナルな紙(というか不織布というか)の袋なのだけど、指を突っ込んでガサガサやると……二つに割れた Enter キーと、パンタグラフ部の連結パーツがふたつ、袋から出てきた。

あ゛ー、参ったなあ……僕は自他共に認めるハードキーパンチャーなので、こういうキーには負担がかかっている。しかし、真っ二つになっているのはちょっと困った。少し考えてから、ゴミを始末し、掃除機を元に戻してから、拾ったパーツを目の前に置いて考える。

この手の樹脂を接着・補強するには、エポキシを使うのが一番手っ取り早いだろう。プラモデルなどを作られる方であれば、パテを使ってもいいと思う。しかし、今僕の手元にはどちらもないのだ。あるのは……比較的強力に接着できる瞬間接着剤だけ。

仮止めをするだけならば、この瞬間接着剤で何も問題はないのだが、この手の接着剤の主成分であるシアノアクリレートは衝撃に弱い。ではどうするか……繊維で強化するしか手はなさそうだ。

まず破断面に薄く接着剤を塗って、割れた半分同士を押し付けて仮止めをする。それから、連結部に干渉しないように注意しながら、破断面の周囲を覆うようにティッシュペーパーを切り出す。これを破断面を覆うように乗せて、瞬間接着剤を染み込ませ、硬化しないうちに気泡を押し出せば……ティッシュの繊維で強化された樹脂で傷を覆うことができる。

これをキーの表と裏、両面に行って、樹脂が硬化するのを待ってから手に取ってみると……よしよし、まあこんなものでしょう。後は組付ければ作業は完了である。いずれはパーツ取り用のジャンクを入手して、キートップを全交換する必要があると思うけれど、それまではこの不細工な状況で使い続けることにする。まあ、こういうことは、たまにあることなんです。

2012/08/15(Wed) 10:31:53 | コンピュータ&インターネット
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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