2ちゃんねるバースト

ちょっと前のことになるが、いきなり blog へのアクセスが10倍近くになって仰天したことがある。このサイトは(当然のことではあるのだが)アクセスログを採取して、定期的に解析するためのスクリプトを走らせてあるので、その解析結果を見てみると……ん。2ちゃんねるからリンクされているのか?

『探偵!ナイトスクープ』で登場したセキセイインコの話が2ちゃんねるで話題になった際に、誰かが僕の以前書いた『レイテ島からのハガキ』に関する聞き書きにリンクしたらしい。そこから飛んできた人々によるアクセスの急増だったわけだが、アクセス元のリンク URL を解析すると、ちょっと面白いことが分かった。

以前は、今回のような2ちゃんねるからのアクセスというと、referer には *.2ch.net、つまり2ちゃんねるのサーバーのアドレスがちゃんと残っていたものだったのだが、今回のアクセス結果を解析してみると、実はその大多数が、いわゆるまとめサイトからのものだったのだ。つまり、今回その2ちゃんねるのスレッドを読んでいる人々のかなりの割合が、直接2ちゃんねるを読んでいるのではなく、まとめサイトの内容でそれを読んでいる、ということらしい。

いつだったか、この間まで衆議院議員だった片山さつき氏が、あるまとめサイトがなくなるかもしれない、というので存続を Twitter でうったえて話題になったことがあった。このときにも、あー国会議員センセイはお忙しいのかしらん……と思ったのだが、そもそもこの手のサイトの情報は二次情報に過ぎない。一次情報に至るためのインデクスに使用するならまだしも、二次情報にそんなに皆が依存するというのは、どう考えても健全な状況だとは思われない。だって、そこに書いてあることは本当に書いてあったと、一体何処の誰が保証してくれるというのか? primary な情報に触れることなくその二次情報を使用して、後からそれがいい加減な代物だったら、結局は使用者が責任を負わざるを得ない。二次情報というのは所詮はその程度の代物なのである。

しかも、一次情報だと言ったって2ちゃんねるは2ちゃんねるである。いや、だから、その前の primary source に触れるならいいんですよ。しかしねえ。ハム速がどうこう、って、そんな人が国会に携わってるってなぁ、あまり気持ちのいいものじゃないんですけどねえ。

……と、話がそれたけれど、それにしても、存続の危機とか言われながらも、2ちゃんやその周辺の情報を日常的に触れている人というのがこれ程多いものなのだなあ、と思わされたのであった。いや、それだけなんですけれどね、本当に。

2012/11/22(Thu) 13:21:49 | コンピュータ&インターネット
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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