post SKKIME

僕がコンピュータ上で日本語を書くときに SKK を使う、ということは、既に何度もここで書いている。普段は Linux や Mac OS X 上で Emacs を使っているので何も問題ないのだけど、Windows 上で何か書く場合、ここ何年かは、阪本崇氏が開発された SKKIME という IME を使っていた。

しかし、フリーソフトというのはメンテナの自由時間に依存しているものなので、いつまでも黙って恩恵に与れるとは限らない。SKKIME の場合も、この3年程、更新が滞っている状況だった(阪本氏の本職は経済学の研究者ということなので、そちらの方を含めて何かとご多忙なのだろうと思う)。うーん、ソースは公開されているんだし、いざとなったら自分で何とかするしかないんだろうなあ、と思いつつも、僕の方も色々あってそういう手間を取れない状況であった。

ところが、このご時世になって、Windows 上で動作する SKK ベースの IME が公開されているのである。しかも二つも!

SKKFEP の作者である co 氏は、もともと SKKIME 1.5 を改変したものを『SKKIME シンプルかな漢字変換プログラム 1.5改』で公開されていたようだが、これの後継として skkfep の開発を行われているようである。僕は skkfep というと NEmacs/Mule への実装を思い出すのだが、co 氏もこれは認識されているようで、混同を避けるために上のようなページタイトルにしているということらしい。

corvus-skk の方は、現時点で Windows 8 の Release Preview 版への対応を謳っている。今後の展開はチェックしておく必要があるだろう。

とりあえず、明日ちょっとやることがあるので、それを終えたらテストしてみる予定。辞書絡みとかで面倒なことにならない方を選択することに……なりそうな気がするなあ。

遅まきながら

Google Chrome を使うのをやめることにした。

理由は簡単で、Google Chrome はブラウザに関するかなりの情報を google に流しているからである。この半年位で見ても、google のユーザ抱え込みの様子は目に余る。さすがに僕も、このまま唯唯諾諾と使い続ける気にはなれなかったのだ。

ただし、Google Chrome が優秀な web ブラウザであることは否定できない。だから今更 Firefox に戻る気にもなれない。ということで、SRWare Iron を使うことにした。SRWare はドイツにあるセキュリティ関連の会社なのだが、ここは Chromium からユーザ情報送信等の機能を外したブラウザを作り、これを Iron という名で配布している。前からこのブラウザの存在は知っていたのだが、ここ最近の Google Chrome の状況にさすがに我慢ができなくなってきて、今日、ついに移行したわけだ。

Iron を使う上での問題はふたつある。ひとつは、よりセキュアとは言え、一私企業にブラウザを依存するようなかたちになっていいのかどうか、ということ。もうひとつは、SRWare は apt-get / aptitude によるアップデートに対応していない、ということである。まあ前者は今迄だって Google に依存していたわけだから、完全に受け入れ難いというわけではない。後者に関しては、SRWare が twitter でアップデート情報を流している、ということが逆に不便(僕は twitter は時間の無駄遣いになるのであまり使用しない)なのだが、まあ時々チェックするようにすればいいんだろう……ということで、受け入れることにした。

それにしてもなあ…… Sun が Oracle に買収されたときも、Solaris のアップデートファイルの配布の話だとか Java のアップデートに関する話で、あーあざとくなったなあ、と思わされたものだが、最近の Google や Apple の抱え込みようにはちょっと恐怖を感じる。そしてそれを皆あまり疑問にも思わず受け入れている風であることに、それ以上の恐怖を感じるのである。

たまにあるんです

猫と一緒に暮らしていると、パソコンの吸気部に必ずといっていい程毛を吸い込んでしまう。あと、ノートパソコンのようなパンタグラフ式のキーボードの場合、パンタグラフ型の連結部に同じように毛が絡み付く。だから定期的に掃除機でそれらを除去しなければならない。

現在この家にある掃除機は、ドイツのミーレ社製のもので、結構なパワーで吸ってくれる。これでファンを吸気側からがっつり吸い、キートップにホースを吸い付けた状態でくるくる回すようにしながら走査して、絡んだ毛を浮き出させて除去するわけだ。

ただし、パンタグラフ式のキートップというのは、キー上方から引っ張る力がかかると外れてしまう。だからちょっと気を抜くと、えらいことになってしまうわけだ。

今朝、体調が悪いので朝からうだうだしていて、でもパソコンがまた掃除するタイミングになってきたなぁ、ということで、掃除機を持ってきて吸っていたのだが、ホースをキートップから離すと……あ。Enter キーがない! えらいこっちゃ。

掃除機を止めて、中のフィルターバッグを外し、広告を何枚か取って一緒に持ってベランダに行く。このミーレの掃除機のフィルタはトラディッショナルな紙(というか不織布というか)の袋なのだけど、指を突っ込んでガサガサやると……二つに割れた Enter キーと、パンタグラフ部の連結パーツがふたつ、袋から出てきた。

あ゛ー、参ったなあ……僕は自他共に認めるハードキーパンチャーなので、こういうキーには負担がかかっている。しかし、真っ二つになっているのはちょっと困った。少し考えてから、ゴミを始末し、掃除機を元に戻してから、拾ったパーツを目の前に置いて考える。

この手の樹脂を接着・補強するには、エポキシを使うのが一番手っ取り早いだろう。プラモデルなどを作られる方であれば、パテを使ってもいいと思う。しかし、今僕の手元にはどちらもないのだ。あるのは……比較的強力に接着できる瞬間接着剤だけ。

仮止めをするだけならば、この瞬間接着剤で何も問題はないのだが、この手の接着剤の主成分であるシアノアクリレートは衝撃に弱い。ではどうするか……繊維で強化するしか手はなさそうだ。

まず破断面に薄く接着剤を塗って、割れた半分同士を押し付けて仮止めをする。それから、連結部に干渉しないように注意しながら、破断面の周囲を覆うようにティッシュペーパーを切り出す。これを破断面を覆うように乗せて、瞬間接着剤を染み込ませ、硬化しないうちに気泡を押し出せば……ティッシュの繊維で強化された樹脂で傷を覆うことができる。

これをキーの表と裏、両面に行って、樹脂が硬化するのを待ってから手に取ってみると……よしよし、まあこんなものでしょう。後は組付ければ作業は完了である。いずれはパーツ取り用のジャンクを入手して、キートップを全交換する必要があると思うけれど、それまではこの不細工な状況で使い続けることにする。まあ、こういうことは、たまにあることなんです。

window manager

僕は Linux をメインに使っているわけだけど、狭義の Linux は GUI システムを直接抱え込んでいるわけではない。Linux の GUI システムは X window system 上で実現されている(最近の Ubuntu などでは Wayland を導入しようという動きもあるけれど、 ここなど見るとかなり苦戦している模様だ)。ただし、X 上でどんな window manager を選択するかによって、その選択できる範囲はかなり広いものである。

僕はこの何年か、ずっと Xfce4 を使っている。どんな具合かというと:

desktop-20120812.png

……という具合。前回触れた CDE 風、というか、Mac OS X 風というか、そんな感じにして使っているわけだ。Xfce は軽いし、僕の嫌いな Qt ではなく GTK+ ベースなので、随分長い間使っている。

ところが、この1、2日辺りに、妙なニュースが流れてきた。Debian 7.0 としてのリリース準備中である Wheezy が、default の window manager として Xfce を採用する、というのである(gitweb の当該エントリ)。まあ今迄も alternative で Xfce ベースのインストールが提供されていたから、それを表に持ってくるだけの話なのだろうけれど。

どうしてこういう話になるのか、というと、要するに GNOME が肥大化してどうしようもない状態だからである。とにかく最近の GNOME の評判は悪い。Debian の場合はそういう問題よりも、GNOME ベースだともうメディアに入り切らない、という実利的な問題があるからこうなったわけだが、そうなると世間では Xfce が今迄以上にメジャーなものになっていくのだろう。反主流派でいることに慣れている僕としては、少々居心地の悪い思いがする話なのだった(って、他がどうなっても僕自身には何も関係ないはずなのにね)。

で、昨日から、他の window manager を試すことにして、LXDEEnlightment を試してみたのだけど……うーん、しっくり来ない。LXDE はデザインに Windows 臭がしたのでちょっと……という理由で、Enlightment は単純に重い、という理由で、結局また Xfce に戻してしまった。うーむ。

Xfce にしたって、かなりの妥協の末に使っていたものなので、しっくり来るものに出会えないか、というのはいつも思っていることである。昔は FVWM で何も問題なかったのだけど、version 2 以降のメニューバーが気に入らないんだよなあ…… Debian ではこういう向きの為に、ちゃんと version 1 の時代の FVWM を未だに収録してくれているのだが、さすがにちょっとね……うーむ。選択の範囲があるというのは、それはそれで悩ましいのである。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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