眠れぬ夜が続く
この何日か、どうにも眠れずに弱っている。暑いから、というより、湿気があるからなのだが、どうしたらここから逃れられるのだろうか。
思い返してみるに、生まれ育った水戸ではこんなことはなかったと思う。家を出るまで、僕の実家にはクーラーがなかったのだけど、真夏でも朝夕はそこそこ涼しくて、暑さで寝不足になるようなことはなかった。大阪では……いや、大阪でも、結局はクーラーを買うことは一度もなかったのだ。それで何とかやっていけた。
しかし、愛知に住むようになってから、クーラーなしでは生きていけないんじゃないか、と思うようになった。なにせこの辺りは、下手をすると沖縄より気温が高いのだ。沖縄に詳しい人に聞くと、彼の地では風が吹いて、しかもこんなに湿っぽいことはないのだというから、要するに愛知の夏というのは日本最悪だ、と言ってしまって良いのだろう。京都の夏は凄まじい、とよく言うけれど、大阪時代に何度も真夏に京都に遊んだ経験から言うと、やはり愛知の方が過ごし難い。
今日はたまたま家にいるのだが、ついさっき、湿気に耐えかねてとうとうドライを入れてしまった。そんなブツブツ言わずに入れりゃいいじゃん、とか言われそうだけど、部屋を冷やすということは戸外に熱を放出するということである。結局、この地をますます暑くするのに貢献しているに過ぎぬ。いやはや、本当に、どうしてこうも過ごしにくいんだろう。