今更何をホタえとんねん
U から「R 水素って聞いたことある?」と聞かれ、何かと思って web を見ると…… http://rh2.org/ ……ハァ?何を今更ホタえとんねんな。
ここに断言しておくが、自然環境エネルギーで水から水素を産生し、それをエネルギーソースとして用いることで循環的エネルギーシステムをつくる……というのは、この R 水素なるものが語られるようになるはるか前から、国際的レベルで研究されているものなのである。日本だけに限定したって、旧通産省主導のサンシャイン / ムーンライト計画に始まって、WE-NET、そしてその後継の NEDO 主導のいくつかのプロジェクト……既に、広範な分野で深く研究が行われているのである。それに関して全くふれようもせずに、何が R 水素だっての。いい加減にしてほしい。庇を貸して母屋を取られる、じゃないけど、彼らの R 水素に関する PR 資料を見た後に、たとえば WE-NET に関する文書を見てもらいたい。はっきり言って丸パクリである。
しかも、そう簡単にそういうことが実現するならば、とっくに日本は水素社会になっているはずなのだが、なぜそうなっていないのか。それは簡単な理由で、エネルギーメディアとしての水素のエネルギー密度が他のメディアに比べて低いからなのだ。だから、高密度で貯蔵するために、僕らは水素吸蔵合金の研究をしていたわけだけど、正直言って、貯蔵密度と出し入れの速度を両立させた材料というのは現時点では存在しないと言っていいだろう。そう簡単に物事は進まないのだ。
では、国際的に、このようなエネルギー問題に関してどのような考え方になってきているか、というと、もうエネルギーはこまめに入れりゃいいじゃん、オンデマンドで作ってこまめに貯めるだけでいいじゃん、という話になっているわけだ。その反面、高密度に貯蔵さえできれば、大規模エネルギー輸送における水素の有用性は否定できないから、その筋の研究はちゃんと継続している。R 水素なんてキーワードで鼻息荒くする人々が Twitter のことも知らなかった頃から、こっちはその方面で仕事をしているのである。
僕が一番この話で危ういと思うのは、とにかくこの R 水素なるものの話をしている連中が、上に書いたようなこれまでの仕事を引用もせずに、そのコンセプトをあたかもオリジナルの革新的なものであるかのようにプレゼンしているところである。こいつらは何がしたいのかねえ。フィクサーになりたいんじゃないのかねえ。じゃなかったら、金を投じてこんな宣伝をして、みんなの党のアジェンダに書かせたりはしないよねえ。いやー、生臭い臭いがぷんぷんするじゃありませんか。
何度でも書くけれど、R 水素なんてのは新しい概念でも何でもない。僕等は彼らがそんなコンセプトを宣伝するようになるはるか以前から、とっくにそういう問題に関して研究開発をやってきているし、その成果を蓄積している。それに関する引用もなしで、我々が過去にさんざん使ってきたようなポンチ絵をそのまま使って、何が R 水素だっての。いい加減にしなさいっての。
Re:今更何をホタえとんねん
背後には…賛同団体
エネ経会議
浅尾 慶一郎(民主→みんな)、阿部知子(社民→みどり)、飯田哲也(環境ゴロ)、河野太郎(エセ自民)、福島みずぽ(社民)、藤巻幸大(みんな)、三上元(浜岡原発の廃炉を求める」訴訟原告団)
女たちの一票一揆
国際環境NGOグリーンピース
世界のフィールドから R水素サポーターの声
小野寺 愛「ピースボート」子供の家 共同代表
水素というよりも反原発の軸で理解した方が良さそう。臭い臭い。