弱り目に……
二日程前から、喉に何か違和感を感じていた。昨日になって、その違和感は炎症の苦痛へと顕在化し、更に喉から鼻の粘膜へと拡大を始めた。いかん。何処で拾ったのか、風邪をひいたらしい。
日曜。どうにも辛抱ならなくなって、ミサを休んで寝ていることにする。午前中が無為に過ぎていく。そのうちに、ある異音が気になってどうしようもなくなった。
実は、手元にいつも置いている ThinkPad X61 のファンを昨夜交換したところだった。今年の春に換えたばかりだったのだが、どうにも不調で、BIOS が Fan Error を出すことが日常的になっていたので、短期間ではあるけれど、思い切って交換ということにしたわけだ。ところが、今日になって、そのファンが異音を立てているような気がして、気になって気になってどうしようもなくなったのだ。
このファンは、thinkfan というユーティリティで回転数制御をかけている。おそらく DC モータに電圧制御がかかるということだから、本来の回転数でない回転数で駆動すると、それに起因する音を発してもおかしくはないのだろう。しかし、我が家にはニャントロ人が生息しているので、その毛が入った可能性は否定できない。ということは……はいはい、掃除すりゃいいんでしょ、掃除すりゃ。
寝床を這い出して、掃除機を持ってくる。今使っている掃除機はドイツのミーレという会社の製品なのだけど、これは吸引力が無茶苦茶強い。それを最大出力にセットして、X61 の吸気口からがんがん吸う。まあ、何があったとしても、これで完全に吸引し切ったでしょう……と、ふとキートップに目をやると、こちらにもニャントロ人の毛が何本かある。うーん……と、吸引力を弱い方から二番目に設定してから、キートップを吸っていたそのときだ。CTRL をアサインしている Caps Lock キーのトップが外れ、掃除機の中にひゅん、と消えた。やっべー、やっちまったぜ。
ぶつぶつ愚痴りながら、レジ袋のデカいのを持ってきて、その中でダストバッグを鋏で切り開く。このバッグはフィルターを兼ねていて、もう Hurra Deutschland ! とか言いたい位に丈夫なのだ。切り開くと、中はニャントロ人の毛が、もう毛糸でも紡いだらセーターの1、2着も編めるんじゃないか、という位に詰まっている……ありとあらゆる埃と一緒に。うわーと思いながら、ベランダにそれを運んで中をまさぐること2分程……ようやくキートップが見つかったのだった。
キートップを戻し、新しいダストバッグをセットした掃除機を片付けて、今僕は布団に腹這いになってこれを書いている……しんどい。まったく、こんなときに何をしているんだ僕は……