ポリコレって何?
最近、世間で「ポリコレ」という文言を耳にすることが多くなった。おそらくあれのことなんだろう、でも何でそんな呼び方をするんだろう……と思いつつ確認すると、果たして politically correctness (PC) のことをそう言っているらしい。いや、もう、本当にげんなりである。
僕がこの言葉を知ったのはおそらく大学生の頃で、院生の頃に、『政治的に正しいおとぎ話』という本の存在を知ったのだった。今 amazon でこの本やその続編に関するレビューを読むと、これらの本が PC に対する皮肉として書かれているということすら理解できていないタコなレビューが散見されて実に香ばしいのだけど、言葉の運用だけに厳格になることで差別や偏見から解放される、などという単純な話じゃないんだ、というところに、当時の僕も色々考えさせられたのだった。
その後も、障害者という言葉を使ったら、いや障碍者と書かなければならないとか、もう面倒だから障がい者と書きましょう、とか、いやいやチャレンジドと呼ばなきゃならない、とかいう話が思い出したように言われているわけで、別に PC の概念は新しいものでも何でもない。はいはい PC だよね。で? ってなもんである。
では何が僕をげんなりさせるのか、って、この概念を「ポリコレ」という言葉で言わないと、やれものを知らんの何の言う半可通がどうせまた現れているんだろうなあ、ということ。何よ、ポリコレ、って。俺っちは四半世紀前から PC って呼んでるし、欧米でも PC で通じるんだよこれは。何を俄かに妙なカタカナ略語使って「え?知らないの?」とか嬉しそうに言ってるんだこのバーカ、とか毒突きたくなるわけですよ僕は。いや本当、何を今更、だよ。