『地球はメリー・ゴーランド』
ようやく完全に open に書けるようになった。この何日かばたばたしていたのは、これを録音していたためである:
ガロというと、おそらく皆さん反射的に『学生街の喫茶店』を連想されるのではなかろうか。『学生街の……』は確かにガロのヒット曲ではあるけれど、この曲を書いたのは、古くはザ・タイガースの座付き作家として、僕より若い世代にはドラクエの音楽を作ったことで有名なすぎやまこういちが書いている。まあ確かに当時のヒット曲のロジックを踏襲して書かれているけれど、だからこそ時代の中に埋もれてしまっているのだろうと思う。
もともとガロは CS & N の影響を強く受けている(1971年の中津川フォーク・ジャンボリーで彼らは CS & N の "Judy Blue Eyes" や "You Don't Have to Cry" を演奏している)。だから3人がギターを弾き、3人で綺麗なコーラスを乗せて歌うのが身上で、それは後にアルフィー(後の THE ALFEE)に継承されている。曲も 1st にはいいものが多いのだが、やはり売れんがためであったのか、2nd はA面が全曲職業作家の作品、そしてB面はビートルズなどのカバーになっている。この 2nd アルバムに入っていたのが『学生街の喫茶店』で、もともとは『美しすぎて』という曲(今聴くと明らかにこちらの方が時代の経過に耐えている)のB面としてシングルに入っていたのが、この曲の人気が高くなったためにA面とB面がひっくり返された。
この『学生街の……』のせいで、ガロの運命はある意味で狂わされたのかもしれない。当時のライブ音源などを聴くと、女の子のキャー!という黄色い声が入っていて、明らかに彼らがアイドル視されていたことが窺える。その後、彼らは自作曲で構成されたアルバムを7枚目までリリースしたものの、『学生街の……』のイメージを払拭することができないまま、1976年3月に解散してしまう。メンバーの日高富明氏は、その後ハードロック路線に転向し、職業作家として稲垣潤一らに曲を書いたりしていたが、1986年9月20日に自宅近くのマンションから飛び降り、自らの命を絶った。
今回僕がカヴァーした『地球はメリー・ゴーランド』だが(「メリー・ゴー・ラウンド」じゃないの?と思われている方、原題がこうなので僕の一存では変更できないんですよ……ということで悪しからず)、これに関しては色々思い出がある。僕も、ガロと聞くと『学生街の……』を思い出す少年だったのだけど、10代の頃にラジオでこの曲を聴いて、衝撃を受けたのだった。調べてみると、『地球は……』のベースは山内テツ、レコーディングエンジニアは吉野金次だし、歌謡曲路線の 2nd でも細野晴臣と井上堯之-大野克夫人脈のミュージシャンが参加している。3rd 辺りからの時期は小原礼や高橋幸宏がツアーバンドに参加していたり、……まあ、プロデューサーがミッキー・カーチスなのはともかく、そんなわけで、彼らとその曲を「歌謡曲」の文脈で見るべきではない、ということを、調べるほどに思い知らされたのであった。
『地球は……』は先に言及した日高氏の作曲・歌唱、作詞は赤い鳥の『翼をください』の作詞者でもある山上健一氏、アレンジは東海林修氏(この人の作品で有名なものというと、やはり『笑点のテーマ』だろうか)である。原曲は東海林氏のストリングスとオーボエのアレンジが実に秀逸なのだけど、僕はあえてこのストリングスをハモンドオルガンに置き換えた。しかしなあ……これはちょっと無謀な取り組みだったかもしれない。カヴァーってのはオリジナルにどこかしらかで勝てなきゃやる意味がないような気がするんだが、これは随分と分の悪い勝負だものなぁ……まあ、お聴きいただいて、幾許かでも気に入っていただければ幸いである。
あと、メモ代わりに書いておくけれど、上の曲では編曲と、
- Vocal
- Background Vocal
- Acoustic Guitar
- 12 string Acoustic Guitar
- Acoustic Piano
- Hammond Organ
- Fender Jazz Bass
- Computer Programming (Drums)
Re:『地球はメリー・ゴーランド』
Firefox最新版、Safariともニコニコ動画がなぜか再生出来ません。GoogleChromeで何とか再生できました。
Firefox最新版は、アメーバブログの画像表示も出来ないんです…
欠陥ありですよね。