尖閣諸島衝突ビデオ流出
昨夕 NHK で放映された『クローズアップ現代』で WikiLeaksの問題を取り上げていたのだが、それとタイミングを合わせるかのように、昨夜遅くに YouTube で尖閣諸島での漁船衝突のビデオがリークされた。僕は既に6個の flash video file をダウンロード・所有しているが、これは大事件だと言わざるを得ない。
まず第一に、今回流出したビデオは、合計すると、国会議員に公開されたものよりもはるかに長い。あれだけ管内閣が隠蔽しようとしていたものが、実にあっけなく露呈されてしまったことになる。このようなビデオをあれだけ頑なに隠し続けてきた管内閣の姿勢が、まずは問われるべきであろう。
そして、管内閣の危機管理体制が極めて杜撰なものであることがこれで露呈したわけだ。今回のビデオは、那覇地検において数分の長さに編集され、DVD に焼かれたものが国会で公開されたとのことなので、今回の漏洩に関しては、那覇地検、もしくは海上保安庁のいずれかの内部からの漏洩である可能性が極めて高い。いや衛星回線でどーのこーの、などという話も出ているようだけれど、セキュリティの問題に関して少しでも知っているなら、情報漏えいの9割がインサイダーによるものだ、というのは、これは常識中の常識である。もし実際に今回もそうだとすると(おそらく職を賭してリークしたのだろうと思うのだが)、漏洩した者が公務員である可能性が高いということであって、今回の行為が公務員法違反である可能性が極めて高いことを示している。公開しないならしないで、綱紀粛正を徹底すべきなのであって、それができていない管内閣って何なの?危機意識なんてないんじゃないの?という話である。
そして、今回の件に関して、内閣から今に至るまで何らコメントが出ていない、ということが、またお粗末な話である。まあ、これは簡単な話なのであって、誰も責任を取りたくない、ということなのだろう。しかし、だ。
- 政治家は結果だけでその業績が論じられる職種である
- 政治家は政治に責任を持ち、それを果たすことこそが仕事である
しかし、民主党の各閣僚、そして周辺の政治家のコメントをみると、どうも彼らは今回の問題を単なる危機管理上の問題に矮小化したくて仕方ないようである。僕達は、決して今回の問題を、そのような矮小化した文脈で受容してはならない。今回の問題は、あのとき中国漁船が何をしたか、ということへの国の説明責任、そして政治家の政治責任という文脈でまずは受け止められるべき事項なのだ。この点、僕達はゆめゆめ忘れてはならない。
Re:尖閣諸島衝突ビデオ流出
> しかし、あのビデオを限定公開にした意味がわかりませんねえ。全く。なぜ、しかもこの期に及んで尚及び腰なのか、本当に分かりません。まあ今回の問題の根っこは比較的はっきりしていて、政治家が責任を負わない、というのが諸悪の根源なんでしょうね。親分が責任負わなきゃ子分が活動できるわけがないんです。