インプットメソッドの変更
僕は普段から GNU Emacs 上で SKK というインプットメソッドを使用している。これに慣れると、どれ程辞書が賢いものであろうとも、他のインプットメソッドを使う気にはなれないので、普段使用している Linux の X 上でも、SKK ベースのインプットメソッドを使っている。
UNIX 系のシステム上で使用されるインプットメソッドのフレームワークにはいくつか種類があるけれど、おそらく世間では SCIM とか uim とか IIIMF とかがメジャーなのだろうと思う。その上で使用されるインプットメソッドとしては、Anthy とか Canna とか、最近だと Google 日本語入力 / Mozc とかを使うのだろう。「……だろう」と書くのは、僕自身がこういうインプットメソッドを使わないからである。
先に挙げたようなインプットメソッドフレームワークでは、その多くで SKK 準拠のインプットメソッドが提供されている。しかし、インプットメソッドフレームワーク特有のキーバインドが、SKK 固有のキーバインドとぶつかることが少なからずある。まあ細かい設定をすれば回避できないこともないのだろうけれど、そこまで僕には SCIM や uim にこだわる気がない。そもそも、X 上では昔から skkinput (2, 3) という軽量なインプットエンジンが提供されていたので、僕はずっとこれを使ってきた。先に挙げたようなシステムも勿論一度は試しているのだけど、skkinput 以上にシンプル、かつ十分なものに出会わなかったのだ。
しかし、時間の経過というのは残酷なものである。Debian GNU/Linux において、sid ではもう skkinput はパッケージリストから外されている。手元にあるソースからビルドして使い続けてきたのだけど、今後のことを考えると、未来のありそうな環境に移行しておいた方が、明らかに安全だと思われる状況である。
さて、ではどうするか……という話である。色々検討した結果僕が選んだのは IBus である。以前は、このフレームワーク上で動作する SKK ベースのインプットメソッドがない時期もあったのだけど、幸いなことに、Daiki Ueno 氏の ibus-skk がかなりいい感じで、しかも他のフレームワークで問題になるキーバインドの抵触が、IBus + ibus-skk の場合は(少なくとも今のところは)全く気にならない。ここまで確認したところで、思い切って、長年慣れ親しんだ skkinput を廃止することに決めた。
かくして、今のこの blog のエントリも IBus + ibus-skk で書いているのだが、至極快適である。コンピュータを使っていると、こういうことは不定期に必ずあることなのだけど、自分のものを書く上でかなり重要な部分だし、久方ぶりの更新でもあるので、ちょっと blog にメモしておきたかったのだ。