本当に Windows は厭になる
前にも書いたけれど、今迄使っていた PHS の電池が死んだので、U が使わずに持っていた Windows Mobile 端末を貰い受けて使い始めた。一応カスタマイズがそこそこできるのだけど、そこは Windows、やはり厭なことがてんこ盛りである。
Windows Mobile 用のユーティリティというのは、ネットで探せばそこそこ入手できるのだけど、まず僕が入手したのがレジストリエディタである……そう、Windows なだけに、細かい設定を行う場合にはレジストリを触る必要があるのだ。しかし、Windows Mobile にはセーフモードがない。だから、うっかりマズい設定をして起動しなくなってしまったら、ハードリセットして、はい、やり直し、である。僕の場合は、画面表示を VGA に切り替えた状態で SIP (Software Input Panel) を使用できるようにしようとしていて、2度、この事態に陥ってしまった。
そういうことが起きても泣きをみないように、挿してある SD カード内にディレクトリを切って、リストアに必要な一切合財を突っ込んである。まあ、アーカイブを拾ってくればいいものは、ここに入れ忘れてもまた拾ってくればいいのだろうけれど、僕の場合は着メロも自作のものを使用しているので、これもちゃんと保管しておかなければならない。
僕は着メロというものを購入したことがない。音楽は非圧縮フォーマットで iPod Classic に入れてあるものしか聴かないし、MP3 や AAC のファイルに金を出すという神経が理解できない。第一、自分で着メロのレコーディングから行うこともあるんだから、そもそも購入のしようがないのである。
今回も、手元に用意してあった着メロ用のサウンドファイルをインストールしてみたのだけど、端末のスピーカーがショボいので、ダイナミックレンジの広いサウンドファイルでは、呼び出し音としての鳴りが不足している。うーむ。というわけで、Cubase を立ち上げる。世間で言うところのデジタルリマスタリングというのをするわけだけど、まあ、このご時世、こういうことは猿でもできることである。
オリジナルの音源を出発点として、お決まりのコンプとリミッターで音圧を上げてみる。が、これでもまだ足りない。FM 放送をカセットテープで録音した位の飽和をさせて、更に中音域をパラ EQ でがっつり持ち上げて、どうにか鳴りのいい音源ができた……と、ふと、手元のプラグインを見直してみると、BBE の L82 Loudness Maximizer で、まさにそういう飽和をかけられることに気付く。改めて、これを使って作成し直したものを端末にインストール。
こういう処理は、普段、自分の音源をマスタリングするときにもやっているわけだけど、そういうときと今回のような処理では、根本的な思想が違う。リミックスとかしてる人々にとってはごく当たり前のことなんだろうけれど、Hi-Fi なものが鳴らないメディアというものは、そのメディアに非があるのであって、メディアに歩み寄って音源を変えるというのは、どうにも筋違いと思えてならない。音楽をトータルアートとしてではなく、生活の中でのアイコンとして使うための「加工」なわけだけど、基になるものよりも情報量を減ずるということに、どうにも罪を感じてしまうのだ。
まあ、こんな感じでセットアップした端末は、普段は小説を読むための電子書籍端末と化していることが多いのだけど、それ以外でも一通りのことができるようにしてある。SSH で任意のサーバと接続できるし、コマンドプロンプトも使える。しかしなあ……やはり、本気で道具として使うには到底用が足りない。せめて android か、いっそ iPhone に切り替えるべきなんだろうけどねえ。