新しい中傷手法
インターネットというものを使い始めてもう20年程が経過したわけだけど、電子ニュース、web、2ちゃんねる、掲示板……等々、様々な場所での誹謗中傷を経験してきた。僕は何事か書くことが少なからずあって、それを気に入らない人というのがいるのかもしれない。それならば、本名で正々堂々と物申せばよいだけの話なのだけど、この手の誹謗中傷をする輩に限って、己の存在への道筋を注意深く消そうと、一応努力をしているようだ。
それでも、ここしばらくは、そういう下らない連中に絡まれることもなく過ごしていたのだけど、最近、fugenji.org のアクセス解析をする度に、イヤーな気分にさせられることが少なからずあった。
- thomas latex 大した知識もない エラそう fugenji
- thomas latex 知ったか
- thomas latex ずれてる
- thomas latex 粘着
- thomas キチガイ tex fugenji
- thomas latex 無知
- thomas latex 素人
- thomas latex エラそうなのはお前だ
- thomas 死んでくれ
- thomas 名前が変
- thomas セクハラ latex
なるほど。これはある意味、新しい誹謗中傷の手法なのかもしれない。google で突拍子もないキーワードで検索をかければ、google のデータベースにその突拍子もないキーワードが蓄積されるかもしれないし、そういうキーワードでアクセスした結果は、httpd の referer.log を解析できる者にしか分からない。Luminescence のアクセス解析は僕しかしていないわけで、これはこのキーワードを僕にだけ見せつつ、少しづつ google の手を借りてそういう風評を定着させてやろう、ということなのだろう。
それにしても……この行為の背後に感じられる、饐えた臭いの立ち籠めたような悪意に、僕は戦慄した。そんなに恨まれる覚えもないのだが、キーワードのひとつひとつが、あまりに歪んだ被害者意識に満ち溢れている。一体これは誰の仕業なのか……まあ、最初は面倒で放置していたのだけど、さすがに何か対策をした方がいいような気がしてきたわけだ。
google 等で検索を行う場合、その検索結果を示す URL に、検索語が percent-encoding というエンコーディングで変換された文字列が付与される。上の例で言うと、「大した知識もない」→ "%E5%A4%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84"、「キチガイ」→ "%E3%82%AD%E3%83%81%E3%82%AC%E3%82%A4"、というように、% 記号が付いた2桁の16進数の羅列に変換されるわけだ。だから、手元のログに残ったこの文字列をデコードすれば、どのようなキーワードが含まれているかはすぐ分かる。現在の nkf だったら --url-input オプションを使うだけでこのデコードは簡単にできるから、問題になるようなキーワードでアクセスしてきたアドレスを抜き出せばいい。
で……そうしてみると、上のキーワードによる検索は、いずれも "zaqb4ddf???.zaq.ne.jp" からなされたものであることが分かった。これはちょっとショックだった……この zaq.ne.jp というのは、株式会社テクノロジーネットワークスという大阪のケーブルテレビ会社が運営している、いわゆるケーブルネットのプロバイダで、知人でここのネットワークを使用しているのが何人かいる。こういうことをしそうな人……というと、かなり限定されることになってしまうわけだ。
まあ、でも、その人がこの文章を読めているかどうかは分からない……速攻でアクセスを禁止したし、今後も zaq.ne.jp にターゲットを定めてアクセスを監視する体制を整えたので。何にしても、哀しいことである。
最後に、こういうことも分からずに妙な検索で溜飲を下げようとしているあなたへ。あなたは本当に可哀想な人ですねえ。自分こそが「大した知識もない」のに「エラそう」にふるまいたい、と思われているのでしょう。そして、あなたが己の縁としている TeX / LaTeX に関する事柄で、僕の何かしら書いたことが、あなた自身が「無知」な「素人」の「知ったか」であることを露呈させてしまったのでしょう。それがあなた自身でも否定し切れなくなったから、あなたが重箱の隅に必死で守っていた脆弱なプライドを傷付けた僕を、それはそれは懸命に攻撃しようとするのでしょう。そのことは、あなたのその「ずれてる」「粘着」な行為によって、あなた自身の手によって、証明されているんですよ。有り体に言ってしまうなら、あなたこそが「キチガイ」なのですよ。あまりに痛々しいので、僕はあなたに「エラそうなのはお前だ」、とか、「死んでくれ」などと言う気も起きませんけれど。