苦言

こんな社会情勢だからこそ、あえて苦言を呈さなければならないと思う。僕のような人間だからこそ言うべきだと思っているのだ。

その1。中部以西の人達で「節電しなきゃね」と盛んに言っている方々へ。節電することが悪いことだとは言わない。しかし、中部以西は本質的に周波数が関東とは異なっている。大電力を周波数変換して送電することはエネルギー効率的にも規模的にも厳しい制限があって、現在の時点では既に変換送電のリミット一杯まで西から東への送電が行われている。だから、声高に節電を叫んで、実際に節電が遂行されても、その結果生じた余剰電力が東日本に送られることはない。

その2。大学生等が募金を行っているのを街で散見するが、募金というのはいやしくも人様のお金を預かって渡すべき先に確実に渡すことを求められる行為である。だから、

  1. 自分達が何者なのか
  2. どういう人達のために募金活動を行っているのか
  3. 集めたお金はいつ、どの組織を経由してどこに送るのか
は必ず明示しなければならない。ただ雁首揃えて菓子の空き缶を持って声を上げても、そんな連中は信用できないし、そこに金を入れても何処に行くのか分からないんだったら、「金をここに入れないで、駅の売店の横の募金箱に入れてください」と、横で誰かが言わなきゃならないじゃないか。

その3。何かやってやったつもりになっているだけなら、それは単なるマスターベーションだ、との謗りを免れないだろう。他人の不幸をネタに自己満足に浸るなど、こんな蛮行はないのだ。本当に、本当に、こんな理不尽な話はない。

2011/03/16(Wed) 10:15:04 | 社会・政治

Re:苦言

実は阪神のときに一番現地の被災者の間でひんしゅくをかっていたのが、その手の「自称」ボランティアの人達だったのです。右のものを左に、左のものを右に運ぶ位しかすることができず、指揮系統がないから統率も取れず、おまけに自分の食糧や水、着替え等をちゃんと持って来ていなくて、被災者に渡すべきお握りをちゃっかり食べて帰ったり、とか……今回は、そういう人達が行かないことを祈っています。
Thomas(2011/03/16(Wed) 13:35:21)

Re:苦言

ホントに自己満が多いですね!「ボランティアに行きたいけど、いつ受け入れ態勢ができるのか?」と怒っている人もいますが、私は消費財の安定供給がなされるまで素人ボランティアは行くべきではないと思います。
guest(2011/03/16(Wed) 12:38:37)
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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