取り返しのつかないこと
コンピュータの操作では、しばしば「間違えたら取り返しがつかない操作」というのがある。困ったことに、そういうことに限ってやってしまいそうだったりするのだが、たとえば、バックアップのないアーカイブ foo.tar を展開しようとして、
としなければならないのを、$ tar xf ./foo.tar
あ゛〜っ! と気付いたときにはもう手遅れ。勿論、こうすると foo.tar は(444 とかにしていない限り)上書きされてしまう。寝不足でバックアップ作業を行っていて、時間をかけて作成した巨大なアーカイブをチェックしようとして、$ tar cf ./foo.tar
としたつもりが cf だった、などという他人の話を聞いただけでも、ブルーな気分になってくる。$ tar tf ./foo.tar
シンボリックリンクも、慣れていない人が root で作業していたりすると悲劇を生むことがある。ターゲットとリンクの区別がついていなかったりして、
を、$ ln -s /foo/bar/baz ./
などとやった日には……ああ、こうやって書いているだけでも憂鬱な気分になってくる。$ ln -s ./baz /foo/bar/baz
実は、Windows でもシンボリックリンクというのは可能で、リンク作成のための MKLINK というコマンドがあるのだが、僕はこれを使うときは今でもひどく緊張させられる。何故かというと、MKLINK は UNIX 系の ln と引数の順序が逆なのだ。
に相当する操作を MKLINK で行う場合は、$ ln -s /foo/bar/baz ./
と書かなければならない。もし逆にしようものなら……ああ、考えただけでも厭になる。> MKLINK baz.exe C:\foo\bar\baz.exe
取り返しのつかないことをしないために、我々は経験を積む(しばしば大きな代償を払いつつ)わけだけど、この例の場合、UNIX 系に習熟していればいる程、Windows で MKLINK を使うのは危険だ、ということになる。僕は未だに、Windows のコマンドプロンプトでこの操作をする必要に迫られたときには、自戒の意味を込めつつ、
として、確認するようにしている……取り返しのつかないことを、そうそうしていられる程、僕には物事の余裕というものはないので。> MKLINK /?
2012/02/14(Tue) 00:05:44 | コンピュータ&インターネット