TeX Live 2014 のインストール

それでは、TeX Live 2014 のインストールについて見ていくことにしましょう。

ディストリビューションのパッケージじゃダメなの?

特に Linux のユーザの方は、こういう疑問をお持ちかもしれません:「ディストリビューションのパッケージに TeX Live 関連が一揃えあるんだけど、これじゃダメなの?」

たとえば僕は Debian GNU/Linux の不安定な開発バージョンである sid を常用していますが、この sid には、既に TeX Live 2014 が収録されています。このように、TeX Live 2012 以降が収録されているディストリビューションを使用している場合には、日本語処理に関しての問題はクリアされていますので、パッケージを普通にインストールするだけで、日本語 TeX / LaTeX 環境を整備することができます。

ただし、これらのパッケージは、後述する tlmgr で CTAN の供給するパッケージを管理しているわけではありません。また、個々のディストリビューション毎のディレクトリ構造……多くの場合は FHS (Filesystem Hierarchy Standard) に沿った構造になっていると思いますが……に従ってファイルが配置されているので、TeX Live の通常のファイル位置と異なる位置にあるファイルを探す必要があるかもしれません。

TeX Live は、TeX Live のインストール専用のディレクトリを作って、その中に全てのファイルが収録されるようになっていますから、そのディレクトリ内だけ tlmgr + 自力で管理しておきさえすれば、ディストリビューションのパッケージと干渉することなく、常に最新の環境を使うことができます。ですから、ここでは、以下に提示しているような、ディストリビューション非依存の形態でのインストール・管理をお薦めしておきます。

実は簡単

TeX / LaTeX を初めてお使いの方も、今まで使われていた方も、TeX のシステムのインストール、というと、気が重くなったりしていないでしょうか?

たしかに、TeX のシステム自体は決して単純な構造というわけではありません。本体の中核をなす実行ファイル、クラスファイルやスタイルファイル、フォント……様々な種類のフォントが階層構造的に置かれ、相互にはたらくことで TeX は動作します。こういうことを理解していればいる程、インストールの作業が憂鬱に思われるかもしれません。

ところが、TeX Live のインストールというのは、実は非常に簡単に行うことができます。というのも、default のままインストールを行うと、TeX Live に関わるファイルは全て /usr/local/texlive/2014 内にインストールされるからです。つまり、TeX / LaTeX に関わるファイルは全てこのディレクトリ内に存在し、システムがこのディレクトリの外のファイルを直接参照することはありません。

つまり、新しい TeX Live をインストールする際には、今まで使っていた TeX Live を消す必要すらありません。前年度の TeX Live と新しい TeX Live の構成ファイルが混ざってしまう心配がないからです……ですから、保険代わりに今までの TeX Live を残しておけば、新しい TeX Live に何らかの問題があるときには、path だけ書き換えればもとの環境にすぐ戻すこともできます。

TeX Live のインストール時の設定を変えれば、一般的な /usr/local/share や /usr/local/bin に TeX Live をインストールすることもできないわけではありません。しかし、このような利点を活かす上からも、default の path でインストールを行うことは有益ですし、安易に消したり残したりすることができるのです。

インストールイメージの取得

まずは TeX Live のホームページを見てみましょう。箇条書きになっている部分の最初に、

とありますね。ここからインストールイメージを取得することができます。

network install

一番最初の "download" を選択すると、"Installing TeX Live over the Internet"というページが開きます。ここに公開されている install-tl-unx.tar.gz を利用するのが、一番シンプルなやり方でしょう。

install-tl-unx.tar.gz の使い方は簡単で、適当なディレクトリ(/tmp 等)でこのアーカイブを展開すると、install-tl-yyyymmdd というディレクトリができます。このディレクトリ中の install-tl というスクリプトを起動し、メニューに従って入力していくことで、ダウンロードとインストールが並行して行われます。ダウンロードしながらのインストールなので、ネットワーク環境やサイトとのネットワーク的距離によって、所要時間は異なってきますが、大体数十分から1時間程度というところでしょうか。

Mac OS X ユーザの方は、default でユニバーサルバイナリがインストールされます。Intel Mac を御使用の方(今はほとんどの方はそうだろうと思いますが)は、まず "<B> platforms: 1 out of 18" を入力してサブメニューに入り、"<-> deselect all" を入力して一度全ての選択を解除してから、"s [ ] x86_64-darwin x86_64 with MacOSX/Darwin" を選択後、"<R> return to main menu" でメインメニューに戻ってから、I を入力してインストールを開始すると、Intel アーキテクチャのバイナリがインストールされる……はずなんですが、x86_64-darwin「のみ」をインストールすることができないようです。bin の中身が二つになるのが面倒なので、僕は default のままでインストールしています。

DVD イメージからのインストール

"on DVD" を選択すると、TeX Live のインストール DVD 入手方法に関するページが開きますが、その下の方に、

Information about downloading the TeX Live ISO image and burning your own DVD is available separately, as well as other ways to acquire TeX Live.

とあります。ここから、"Acquiring TeX Live as an ISO image" というページを開くと、
という選択肢があります。ここから、ネットワーク的に近いミラーサイトに飛んで、DVD の ISO イメージ texlive2014-yyyymmdd.iso を取得します。2 GB を超える大きさがありますので、適切な空きがあることを確認した上でダウンロードして下さい。

ダウンロードした ISO イメージは、勿論 DVD に焼いて使用しても構わないのですが、Linux や Mac OS X は ISO イメージファイルをファイルシステムにマウントすることができるので、そうして使用するのが便利だろうと思います。

Linux の場合、

$ sudo mount -o loop ./texlive2014-yyyymmdd.iso /media/cdrom0
のようにマウントします。unmount する場合は、
$ sudo umount /media/cdrom0
のように unmount します。

Mac OS X の場合は hdiutil コマンドを用いて、

$ hdiutil attach ./texlive2014-yyyymmdd.iso
のようにマウントします。unmount する場合は、mount コマンドなどでマウントポイントを確認した上で、
$ hdiutil unmount /dev/disk1
のように unmount します。

いずれの場合も、マウントポイントのディレクトリ内に入り、install-tl スクリプトを実行し、メニューに従って "I" を入力するだけで、その端末のアーキテクチャに合ったパッケージがインストールされます。

GUI のインストーラをお望みの方は

install-tl は GUI も提供します。ただし事前に Perl/TK(勿論これに必要な Tcl/Tk の環境も)を入れておく必要があります。

Perl/Tk を整備した状態で、

$ sudo ./install-tl -gui
と入力すると、GUI (ほとんどのシステム上ではメッセージも日本語化されているはずです)でのインストールが可能になります。
install-tl -gui

流行に敏感な人は……

subversion で開発中のソースツリーをダウンロードすることもできるのですが、ここではその方法には言及しません。必要性を感じる人はご自分でやられればよろしいでしょう。できない方は、あえてする必要はあまりないかと思います。

どこにインストールするか?

これは、インストール時に指定できるのですが、ここでは default の:

/usr/local/texlive/2014
にインストールするものとします。
/opt/texlive/2014
のように /opt を使ったスタイルを好まれる方もおられるようですが、その場合は適宜 path を読み換えて読んでただければよろしいでしょう。


Go back to the top
Go back to the index

Copyright(C) 2014 Tamotsu Thomas UEDA