そのきっかけは、一昨日か昨日辺りから、texlive pretest 版のアップデートがうまくいかなくなっていたことだった。少し待っていればよかったものを、余計なことを考えてしまったのだった。これはクリーンインストールした方がいいかなあ、などと……
本来、pretest 版であっても、texlive のクリーンインストールは容易である。install-tl-unx.tar.gz を取得して展開、install-tl にオプションで供給元の URL を渡してネットワークインストールを行うだけのことである。しかし、ファイルサイズのデータベースの更新がまだなのか、ファイルサイズが違うといって落ちてしまう。やっべー。/usr/local/texlive/2016 をもう消しちゃってるのに……しかもこんなときに限ってプレゼンの資料を beamer で作ったりしていたから、さあ困った、というわけだ。
では次善の策として、texlive 2015 をインストールしよう……と、DVD ISO イメージを落としてきてインストール、アップデートを済ませてから、試みに今作っているドキュメントを処理しようとしたら……なになに、
! Package pgf Error: Driver file ``pgfsys-luatex.def'' not found..
えーーーー?
このプレゼン資料は、LuaTeX-ja と beamer を併用して書いていたわけだが……落ち着け俺。そう言えば、LuaTeX が大規模な仕様変更をしていたんじゃなかったっけ、とググってみると、アセトアミノフェン氏の blog における記述を発見。あーやっぱり。ということは、もはや texlive 2015 では駄目だということか……というところまで確認して時計を見ると、もう午前2時を過ぎている。サーバも何かおかしいし、とりあえず時間を置いた方が良かろう、ということで寝てしまったのだった。
起床後、改めて各ミラーサイトからのネットワークインストールを試みる。いけそうなのに途中で落ちてしまう、ということが何度かあった後に、Harvey Mudd College のサーバ(現存するミラーサイトの中で、家から最速で接続できるサーバでもあるわけだが)でようやく成功。まだアップデートが怪しいんだが、とりあえずの使用には問題なしの状態まで復帰させた。あとは…… luajitlatex を使用可能にしておく位か。はー。
しかし精神衛生上実によろしくないわ。たまらんなあ。いや、勿論これは自業自得なんだけどね。
最近は世間でもかなりレギュラーコーヒーが定着している、と思うのだけど、豆を家で挽くというのはどうもかなりの少数派になってしまったのだろうか。以前はスーパー等でも挽いていない豆を買うのに困ることはなかったのが、最近は、たとえば家の近所のマックスバリュに行くと、挽いていない豆は1種類しかない。他は良い豆だと謳っているものであっても皆粉なのである。これはないよなあ。
あと、ミルに関しても、何かおかしなことが定着しているのかなあ、と思わされることがある。たとえば、知り合いのやっているバーでの話なのだが、ここはこの辺りでも1、2を争う有名なバーで、アイリッシュコーヒーを注文すると、実に恭しく所作を見せながら作ってくれるようだ。僕は自分で頼むことはない(アイリッシュコーヒーは家で飲むものだという意識が強いので)のだけど、そういうことをやってもらうのが、もしくはそういうことをやらせるのが好きな客というのがいて、鼻高々で連れに説明しながら作ってもらっているのに出喰わすことがある。で、豆も一から挽きますよ、と出してくるミルがカッター式なわけだ。それってどうなのよ。そこまで拘るなら臼歯のミルじゃなきゃ、バランスを著しく欠いていると言わざるを得まい。ハンドミルでやりゃいいだろうにさ。
では、僕はどのようにコーヒーを飲んでいるのか。いや、別に何も変わったことはしていないんですよ。何も。豆は挽いていないものを買い、冷凍保存してある。冷凍も良いことばかりではなくて、取り出したときにぐずぐずしていると湿気を付けてしまうことになるので、小さなジップロック等に分けて保存して、使う分を素早く取り出すようにした方が良いだろう。で、それをハンドミルで挽く。ハンドミルは高速回転できないので、ほぼ全ての製品で臼歯を使っている。僕の使っているカリタのクラシックミルで \3,000 位だが、同じカリタでも円筒形の KH-3 なら \2,000 もしない。
挽いた粉は、大部分が設定された歯の間隔に応じた粒径になっているけれど、ごく一部が細かい粉になっている。これを除けてしまう人が多いようなのだけど、僕の場合は分けずにそのまま使う。以前は普段はドリップ、時々エスプレッソだったのだけど、最近はフレンチプレスを使っている。フレンチプレスは細かい粉を除去できないのだけど、それがコーヒーの風味を強くするので、欠点を逆手に取って使っているわけだ。やや多めの挽きたての粉を入れ、上からクルクルと円を描きながら熱湯を注ぐ。上面に細かい泡が厚めに立つのだけど、その泡を潰していくように注いで、それから4〜5分待って、ストレーナを上から突っ込んで、はい、出来上がり。マグカップに牛乳を注いで、上からそのコーヒーをダバダバ……と、まあ乱暴なカフェラテにするわけだ。毎日飲むコーヒーはほとんどこれ。
ブラックで飲みたいときにはドリッパーを使うこともあるけれど、これもあえて紙を使わず、金メッキされたメッシュを使ったドリッパーを使う。これも一番細かい粉を除去できないので、それを逆手に取って強い風味のコーヒーを淹れているわけだ。
たったこれだけのことなのだけど、安価に手軽に美味しいコーヒーが飲める。例えば、僕の母は昔からレギュラーコーヒーしか飲まないのだけど、母の場合は近所の喫茶店等で煎りたての豆を挽いてもらったものを少量づつ買って使っている。それぞれのやり方の中で、酸化した豆のイーッとくる嫌な味を避けるための工夫をしているわけだ。工夫はほとんど金がかからない。しない手はないと思うんだけどなあ。世間の人達は高いコーヒーメーカーとか買ってるんだろうに、金を出してわざわざマズい飲み方をしているのだろうか。こう、粉しか見かけないのを見ると、不思議で不思議でならないのだ。