『美文書』改訂第6版、届く
ちょっと諸事情で入手が遅れたが、今日、手元に『美文書作成入門』改訂第6版が届いた。目次と中身に目を通した感想を書いておくことにする。
まあ、この本が、TeX を使いたいという人にとってマストアイテムだ、というのは変わらないだろう。しかし、ずぶの素人には取っ付きにくい印象が、何か更に強くなったような気がする。そろそろ、この本を参考にする「前段階」を埋める決定的な書籍が必要になっているのかもしれない、と思う。たとえば、大学1、2年の学生に、2年後の卒論作成に TeX を使ってもらうための演習をさせるような、そういうレベルのテキストだ。まあ昔なら、学生実験か計算機演習で TeX でのレポート作成・提出を義務化して、あとはお前ら自分でマスターしろや、分からん奴は『美文書』買っとけ……で済んだと思うけど、今の学生はそれでついて来ないかもしれないしねえ。
内容に関しては、babel に関する記述に代わるものが入っていないのがちょっと哀しい。LuaTeX-ja と polyglossia を併用して多言語を扱うテキスト、なんてのが入っていると最高なんだけどなあ。
あと、和文フォントに関しては、IPA フォント以外のフリーフォントに関する記述が一切ない、というの非常に残念だ。というか、正直ちょっとがっかりした。僕の書いた『日本語フォントのセットアップ』中の『フリーフォントのみで埋め込みを行うには』のようなドキュメント……とまでいかなくても、存在位はふれておくべきだと思うんだけどなあ。こういうところで言及しておかないと、数少ない貴重な和文フリーフォントなんて、やがて消えてなくなってしまうかもしれないのに。
ちなみに 2 ちゃんではデザインに関して色々言われているようですねえ。個人的には、そんなことは別にどうでもいいと思っているんだが。まあそんな感想です。