TEX/ LATEXの文書整形の流れ

TEX/ LATEXによる文書整形の流れを、ある程度知っておく必要がありますので、ここではそれを見ていきましょう。

TEX/ LATEXは、まず文書に整形情報を挿入したテキストファイル(拡張子2.tex なので、俗に TEX ファイルと呼ばれることが多いです)を作成します。TEX/ LATEXにその内容を読み込ませると、整形された結果が DVI3 ファイルと呼ばれるファイルに出力されます。かつては様々なシステムが使われていたので、このような中間的なファイルで出力しておいて、最終的な出力に関しては、出力を行うシステム上で、DVI ファイルをそのシステムに合わせたフォーマットに変換するプログラム (dviware) に行わせる方が何かと都合が良かったからです。

図 1: 伝統的な TEX/ LATEXの組版処理フロー
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このような構成は現在においてはあまり必然性のないものになっています。印刷品質のフォントを搭載して、元の文書からの処理をトータルで行えるコンピュータはあちこちにありますし、持ち歩くことも簡単です。そのため、現在の TEX/ LATEX後継のシステム(具体的には pdfTEXや X % latex2html id marker 517
\reflectbox{E} TEX、LuaTEX)では、DVI を生成せずに直接 PDF ファイルを出力する仕様になっています4。日本でひろく使われている (u)pTEX/ (u)pLATEXは DVI ファイルを出力する仕様ですが、DVI 生成と PDF ファイル出力を1回の手続きで行うラッパー5 ptex2pdf が用いられることが多いようです。




2020-05-05