ちなみに、上に引用した YouTube の動画(ちょっと前に、とある本で見かけるまで存在を知らなかった)であるが、これは学研映画が交通教育用に作成した16 mm フィルムの短編映画である。アニメを担当された故岡本忠成氏は、阪大の法学部から会社員を経て日芸に編入、卒業後は『日本昔ばなし』などの短編アニメを多数制作された方である。まさか自分の大学の先輩だとは思いもしなかったが……
そして、僕が不明にして知らなかったことがもうひとつあった。この曲には answer song とも言うべきものがあったのだ。
花婿、またもよせばいいのにリカバリーを図ったのか、司祭の方を向いて "I am scared this on my life." (「生きてて、こんなことになるのを恐れていたんですよ」…… というところか)と言ってしまう。司祭は努めて冷静になろうとしているが、とうとう花嫁が爆発。ひぃひぃ言いながら笑い出し、止まらない
司祭、爆笑する花嫁を見て肩をすくめ、横の立会人と顔を見合わせてから花嫁の落ち着くのを待つのだが、花嫁の爆笑は度を増すばかり。とうとう(よせばいいのに)一言: "It's O.K. for such things before.(大丈夫、こういうことは前もありましたから)などと言ったために一同大爆笑。
いつまで待っても暴走花嫁が止まらない。花婿は誓いの言葉を続けようとするが、笑いをこらえながらなもので声がおかしい。困った司祭(よせばいいのに)が "The call for take a recess." (「休憩を求めます」……一応少し厳かに、裁判の休憩のときのように)と言う。それで和やかになりかけるが、花嫁は結局ひぃひぃ身を捩って笑い続けるのであった……
……と、まあ、こんな感じである。
The Monty Pison's Flying Circus なんかを観ていても感じることだけど、イギリス人というのは、こういうときに(日本人から見ると一種冷徹と言える位に)さらりとジョークを言う。聞く側も聞く側でそれを(日本人から見ると一種残酷と言える位に)拾って笑いのめす。でもそれは必ずしも皮肉に満ちたものではなく、権威的なものの滑稽な崩壊や、そこに残る微笑ましい状況に対する優しさを含んでいる。そういう意味で、大阪辺りの文化に近いものがあるかもしれない。大阪で十数年を過ごした僕にとって、こんな情景はたまらなく可笑しく、そして懐かしい。
そういえば、何年か前から人気のある本で『誕生日占い』というのがあるけれど、あれで8月27日生れの人に関して見てみると、なんだか美辞麗句のオンパレードで気が滅入る。せめてこの何 % かでいいから、社会が僕をこう認知してくれればいいのに……などと思ったりもするのだけど……最近は net 上でも見られるのがあるから、いくつかリンクしておこう: