tlmgr オンラインアップデータ

TeX Live のパッケージはリリース後も改良、もしくはバグフィックス等の為に更新され続けています。tlmgr はその更新を手元に反映させるためのユーティリティです。

特に ISO イメージからインストールした場合、収録されたパッケージは ISO イメージの作成された時点における最新のものですので、インストールを行った時点での最新の TeX Live の内容との間にずれがあります。これを最新の状態にするために、そして使用を続ける中でのバグフィックス等を反映させる為にも、tlmgr を用いたアップデートが必要です。

tlmgr を直接使うためには、コマンドプロンプトを開く必要があります。先の準備ができていれば、アイコンをクリックすればウインドウが開きます。開いたら、まず最初に、

tlmgr --version
と入力すると、以下のような出力が得られるはずです。
図 11: tlmgr のバージョン表示
Image tlmgr-01-499x332

tlmgr は登録されたサーバの URL9に接続すると、ローカルのパッケージデータベースとサーバのデータベースに記載された各パッケージのバージョンを比較して、更新されたパッケージがあればダウンロードしてインストールを行います。

デフォルトの状態でリポジトリとして登録されているのは:

http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/
です。先にこの URL に関して書きましたが、これは CTAN のミラーサイトサーバで、自動的にアクセス元の近隣の CTAN サイト10に転送されます。

ひょっとすると、自分の所属機関に非公式な CTAN のミラーサイトがあって、そちらの方が圧倒的に高速に転送が可能だ……という場合もあるかもしれません。その場合は登録先を変更することができます。たとえば、

tlmgr option repository http://ftp.riken.jp/tex-archive/systems/texlive/tlnet
11と入力すると、以後はここにアクセスするようになります。元に戻したい場合は、
tlmgr option repository ctan
で CTAN mirror を指定することができます。

では、いよいよパッケージのアップデートですが、

tlmgr update --all
これでパッケージをアップデートすることができます。ただし、このパッケージには tlmgr それ自身も入っています。tlmgr 自身のアップデートも一緒に行う為には、
tlmgr update --all --self
とすると、それも併せて行うことができます。実行すると、
図 12: tlmgr によるアップデート
Image tlmgr-02-499x332
このように各パッケージのアップデートが始まります。ただし、ミラーリングの途中のパッケージがある場合に、そのアップデートに失敗することもあります。この場合は、アップデートに失敗したパッケージを削除した上でアップデートを再試行する必要がありますので、
tlmgr update --reinstall-forcibly-removed --all --self
とすると、失敗したパッケージのリインストールも含めて処理されます。




2020-05-05