TeX Live のパッケージはリリース後も改良、もしくはバグフィックス等の為に更新され続けています。tlmgr はその更新を手元に反映させるためのユーティリティです。
特に ISO イメージからインストールした場合、収録されたパッケージは ISO イメージの作成された時点における最新のものですので、インストールを行った時点での最新の TeX Live の内容との間にずれがあります。これを最新の状態にするために、そして使用を続ける中でのバグフィックス等を反映させる為にも、tlmgr を用いたアップデートが必要です。
tlmgr を直接使うためには、コマンドプロンプトを開く必要があります。先の準備ができていれば、アイコンをクリックすればウインドウが開きます。開いたら、まず最初に、
tlmgr --version
tlmgr は登録されたサーバの URL9に接続すると、ローカルのパッケージデータベースとサーバのデータベースに記載された各パッケージのバージョンを比較して、更新されたパッケージがあればダウンロードしてインストールを行います。
デフォルトの状態でリポジトリとして登録されているのは:
http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/です。先にこの URL に関して書きましたが、これは CTAN のミラーサイトサーバで、自動的にアクセス元の近隣の CTAN サイト10に転送されます。
ひょっとすると、自分の所属機関に非公式な CTAN のミラーサイトがあって、そちらの方が圧倒的に高速に転送が可能だ……という場合もあるかもしれません。その場合は登録先を変更することができます。たとえば、
tlmgr option repository http://ftp.riken.jp/tex-archive/systems/texlive/tlnet
tlmgr option repository ctan
では、いよいよパッケージのアップデートですが、
tlmgr update --all
tlmgr update --all --self
tlmgr update --reinstall-forcibly-removed --all --self