Kaspersky, again

以前から、僕は Kaspersky のユーザーだったのだけど、この1年程は、フリーのアンチウイルスソフトで環境を構築してみよう、ということで、ClamAV をエンジンとして使っている Immunet FREE Antivirus と、スパイウェア対策として Spybot – Search & Destroy® を組み合わせて使用していた。しかし、さすがにこういうセキュリティ関連のソフトに関しては、安心できるものを金を出してでも確保しておくべきだろう……ということで、再び Kaspersky に戻すことにしたわけだ。

最新の Kaspersky Multi Platform Security 2013 は、手持ちの Windows・Mac OS X・Android の端末に台数無制限でインストール可能なプライベートライセンスというのが設定されている。これの3年ライセンスがパッケージ付きで6000円を少し切る。しかも、JCB のチケットで3000円のキャッシュバックまで受けられる、というのだ。ということで、これを購入することで手続きをする。

世間での評判を聞く限り、どうも Mac OS X との相性がよろしくないらしい……のだが、ひょっとするとこれはインストール等の作業を root 権限でやるかどうか、等の、いわゆる昔からの Mac ユーザが分かっていない問題に起因することなのかもしれない。まあ、U は U で ESET のライセンスを更新しようかという話らしいし、手元の Windows 端末と Android 端末に入れることだけを考えても、悪い買い物にはならないだろう。

amazon の処理がモタついていて、パッケージの発送は今日、到着は明日になりそうなのだけど、評価版を先立ってインストールしておくことにする。パッケージが来たら、その ID で activation をすればいいだけの話なので。

ということで、今しがた、評価版を入れた後の完全スキャンが終了したところである。パッケージがきたら早速 activate することにして、このまま暫く使ってみることにする。

SCIM again

このところ、Linux 上での日本語変換には専ら iBus-SKK を使っていたのだが、どうも昨日辺りから調子がおかしい。何だろう、と思って調べると、ibus-setup を起動しようとすると python スクリプトのエラーで終了してしまう状態になっているらしい。

世間の大半の方々にはあまり問題ではないのかもしれないが、僕は日本語入力で SKK が使えないと困ってしまう。とにかく通常の日本語変換ではイライラさせられてどうしようもないのだ。思案した挙句、何年かぶりに SCIM に日本語変換のシステムを戻すことにする。

SCIM-SKK を入れて、テストがてら今これを書いているのだが……まあさすがに違和感はない。しかし、そもそも SCIM から iBus に移行したのが、SKK のキーバインドが一部 SCIM とバッティングするから、だったような……あー、面倒だなあ。

duplicate

あくまで一般論を書くことにしよう。UNIX 系のソフトを使っていると、あるいはこういう目にあうことがあるかもしれない、そんな話である。

あるソフト(以下 A とする)を、それまでは distro が供給するパッケージでインストールしていた、とする。で、distro におけるそのソフトの更新が滞っていて、ソースから自分でビルドしてインストールすることにしよう、と思い、ソースを持ってきて make、そしてインストールしたとする(こちらを以下 A' とする)。これをたとえば /usr/local/A-dash 以下にインストールして、PATH を /usr/local/A-dash/bin に通して、使い始めたとしよう。

A' がなかなかいい感じなので、A をアンインストールしようと思い、distro のパッケージ管理ソフトでアンインストールを試みる。しかし、どういうわけか妙なエラーが出て、アンインンストールがうまくいかない。どうして? ……はいはい、まああり得る話ですね。

A のアンインストールのプロセスで、システムが A やその周辺のソフトを起動するのはよくある話である。しかし、A' の方が優先されるようにユーザーの PATH は設定されているはずだ。アンインストールのプロセスを sudo で起動すると、設定次第ではユーザーの PATH がそのまま sudo で走るプロセスに引き継がれる。だから、システムは A を起動しているつもりで、実は A' を起動してしまっている。だからアンインストールがうまくいかないのだろう。

こういうときに、A' をインストールするのは馬鹿のやることである。何がどうなっているか何も自分で考えていないから、そんなことをするハメになる。マトモなオツムを持っているならば、まず PATH を変更して、A' が起動しない状況にして、A をアンインストールし、しかる後に A' に再び PATH を通しておけばいい。それだけの話である。

しかし、どうも、この世には僕の知らない世界があって、そこでは僕の知らないロジックに依拠した、僕に理解できない経験則が通用しているらしい。まあ、そういう人と関わりを持たないことこそが人生を有用に保つ術なのであって、こんな手合いと関わってしまった己を、まずは恥じるべきなのかもしれないけれど。

disktop ?

以前にもひょっとすると書いたことがあるかもしれないけれど、僕は子供の頃、「グルタミン酸ナトリウム」のことを、どういう訳か「グルミタン酸ナトリウム」だと思い込んでいた。やがて、何かおかしいな、と気になって、祖母の家にあった「味の素」の瓶を見て、己が誤ちに気付いたわけだけど、こういう誤用の思い込み、というのは、しばしば目にすることがある。

この「思い込み」の中には、間違ってもある程度仕方ないのかなあ、と感じるものもないわけではない。たとえば「フラットベッドスキャナ」flat bed scanner を「フラットッドスキャナ」と書いている日本人を見かけても、ああまあ勘違いしても仕方ないのかな、と思うわけだ。そういう人が英文でスキャナに関することを読むこともあまりないだろうしね。しかし、自分と同じ分野の研究者が「シュミレーション」とか言っているのを耳にすると、あーウッゼー、こいつシミュレーションに関する英語論文とか読んだことねーんだろ、じゃあこんな単語振り回してても知れたもんだ、とか思ってしまうわけだ。

さて。先日のことであるが、TeX Wiki(旧)TeX Q & A で、こんな質問がされたのだった。まあ僕は道具として以上に代数系に深い興味を有しているわけでもないし、勿論僕は数学や工業数理を専攻しているわけでもないので、はーそうですか、位に読んでいたわけなのだが、

いろんなものをディスクトップにそろえているので、まだ、実行してませんが分かりません。
……はぁ。ディスクトップって何よ?

何か書き間違えただけかと思ったら、後の記事でも、

インストールすると、ディスクトップに、どう反映するのかというのは、「グレブナー道場」の2章の初めの部分しか読んでないのでわかりません。
……まあね、日本語がそもそも不明瞭な時点で知れたものなのだけど、どうもこの方は普段から、ある程度の確信をもって「ディスクトップ」という term を使っているらしい。

desktop っていう単語を目にする機会がないのか、それが選択的に視野から消えるような状況なのか、僕には分からないけれど、これ程世間ではスマホだ LINE だ情弱だ、と、人の「情報化」というものが進化の一形態であるかのように言われているのに、その反面、こういう人は以前にもましてよく目につくようになった気がする。僕はいつも思うのだけど、こういう人は、自分を何かしらか疑うことはないのだろうか? 疑いながら、躊躇いながら、仕事でもプライベートでも生きている身としては、こういう人は「裸の王様」のように見える反面、その閉じた世界の中では平穏を獲得しているのかしらん、と、そういう部分だけは羨しく思ったりもするのだった。ま、イラっとくることには、何も変わりはないんだけどね。

ここで露悪的に書いてしまうけれど、僕は最近、業務で関わりのある人が「……を得ない」を「……負えない」と書いていることに気がついて、そのことを言おうかどうしようか、悩んでいるのだ。その人が確信をもって書類のコメントなどに「言わざる負えません」などと書いているのを目にする度に、俺はどうしたらいいんだろう、と悩んでいるのである。こういうのは、あまり近しくない人がズバっと言ってくれりゃあいいのにね。ああそうか、そうだとしたら、上の人に「ディスクトップって何よ?」と聞くのに、僕は案外適任なのかもしれぬ。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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