遅まきながら

Google Chrome を使うのをやめることにした。

理由は簡単で、Google Chrome はブラウザに関するかなりの情報を google に流しているからである。この半年位で見ても、google のユーザ抱え込みの様子は目に余る。さすがに僕も、このまま唯唯諾諾と使い続ける気にはなれなかったのだ。

ただし、Google Chrome が優秀な web ブラウザであることは否定できない。だから今更 Firefox に戻る気にもなれない。ということで、SRWare Iron を使うことにした。SRWare はドイツにあるセキュリティ関連の会社なのだが、ここは Chromium からユーザ情報送信等の機能を外したブラウザを作り、これを Iron という名で配布している。前からこのブラウザの存在は知っていたのだが、ここ最近の Google Chrome の状況にさすがに我慢ができなくなってきて、今日、ついに移行したわけだ。

Iron を使う上での問題はふたつある。ひとつは、よりセキュアとは言え、一私企業にブラウザを依存するようなかたちになっていいのかどうか、ということ。もうひとつは、SRWare は apt-get / aptitude によるアップデートに対応していない、ということである。まあ前者は今迄だって Google に依存していたわけだから、完全に受け入れ難いというわけではない。後者に関しては、SRWare が twitter でアップデート情報を流している、ということが逆に不便(僕は twitter は時間の無駄遣いになるのであまり使用しない)なのだが、まあ時々チェックするようにすればいいんだろう……ということで、受け入れることにした。

それにしてもなあ…… Sun が Oracle に買収されたときも、Solaris のアップデートファイルの配布の話だとか Java のアップデートに関する話で、あーあざとくなったなあ、と思わされたものだが、最近の Google や Apple の抱え込みようにはちょっと恐怖を感じる。そしてそれを皆あまり疑問にも思わず受け入れている風であることに、それ以上の恐怖を感じるのである。

老後の楽しみ

大学生の頃。僕は池波正太郎は読まないと心に決めていた。老後の楽しみにとっておくべきだと思っていたからだ。しかし、とうとう『鬼平犯科帳』、そして『仕掛人梅安』……そして、結局あらかた読んでしまった。池波正太郎というカリスマに巣喰うダニみたいな作家(常盤某とかね……池波正太郎は自分なしには語れない、とでも言わんばかりのあの蔓延りぶり、まさにダニだよ)の存在まで知ってしまい、本当に嫌な気分になるオマケ付きだった。

音楽でも、そういうものがないわけではない。たとえば The Beatles…… これは、聞くと自分が影響されてしまうことが避け難いと思ったから(山下達郎が全く同じことを言っていたのにはビックリしたけれど)なのだけど、これだって結局はあらかた聞いている。自分で蒐集したりヘビーローテーションみたいにしたりしていない、というだけのことである。

音楽でこういう「老後の楽しみ」にしたいと思っていたのが、実は Todd Rundgren だったのだが、これも聞いてしまっている。"I Saw the Light" を偶然聞いて、その(日本で知られる彼のイメージで括るにはあまりに広過ぎる)彼のあまりに広範な世界を知ってからは、結局れこれ聞いてしまっている。今日だって、彼の A Cappella Tour を聞きながら書いているのだが、たとえば山下達郎がゴスペラーズや Baby Boo を従えて A Cappella Tour をやってくれたらいいのになあ(でもまずそういうことはしないんだろうなあ)と思いつつ、結局はこうやって聞き潰してしまっている……あ、これは既に僕が老境に達したということなのだろうか?

Your Summer Dream

The Beach Boys というと、いわゆるロックンロールや The Pet Sounds のイメージを持たれる方が多いのかもしれないけれど、彼等の 6/8 拍子のバラードには名作が多い。1963 年のアルバム "Surfer Girl" に収録されている "Your Summer Dream" もそんな曲のひとつである。

以前から、この曲をカヴァーしたいと思っていたのだけど、彼等のインストゥルメンタルの名曲 "Summer Means New Love"(浜田省吾がまだ愛奴というバンドを組んでいたときのデビューシングルである『二人の夏』にこの曲のメロディーが引用されている)とだぶって仕方ない。"Your Summer Dream" のオケは極めてシンプル(まだ Brian Wilson がスタジオミュージシャンを使い出す前の時期だから、この曲のドラムはデニスが叩いているのではないだろうか)なのだけど、どうしても "Summer Means New Love" みたいなストリングスを入れたくなって、よせばいいのにオケを作ってしまった。

歌入れをどうするかは今はまだ未定である。とりあえず最低限のメロをピアノで入れたので、よければお聴き下さいませ:

たまにあるんです

猫と一緒に暮らしていると、パソコンの吸気部に必ずといっていい程毛を吸い込んでしまう。あと、ノートパソコンのようなパンタグラフ式のキーボードの場合、パンタグラフ型の連結部に同じように毛が絡み付く。だから定期的に掃除機でそれらを除去しなければならない。

現在この家にある掃除機は、ドイツのミーレ社製のもので、結構なパワーで吸ってくれる。これでファンを吸気側からがっつり吸い、キートップにホースを吸い付けた状態でくるくる回すようにしながら走査して、絡んだ毛を浮き出させて除去するわけだ。

ただし、パンタグラフ式のキートップというのは、キー上方から引っ張る力がかかると外れてしまう。だからちょっと気を抜くと、えらいことになってしまうわけだ。

今朝、体調が悪いので朝からうだうだしていて、でもパソコンがまた掃除するタイミングになってきたなぁ、ということで、掃除機を持ってきて吸っていたのだが、ホースをキートップから離すと……あ。Enter キーがない! えらいこっちゃ。

掃除機を止めて、中のフィルターバッグを外し、広告を何枚か取って一緒に持ってベランダに行く。このミーレの掃除機のフィルタはトラディッショナルな紙(というか不織布というか)の袋なのだけど、指を突っ込んでガサガサやると……二つに割れた Enter キーと、パンタグラフ部の連結パーツがふたつ、袋から出てきた。

あ゛ー、参ったなあ……僕は自他共に認めるハードキーパンチャーなので、こういうキーには負担がかかっている。しかし、真っ二つになっているのはちょっと困った。少し考えてから、ゴミを始末し、掃除機を元に戻してから、拾ったパーツを目の前に置いて考える。

この手の樹脂を接着・補強するには、エポキシを使うのが一番手っ取り早いだろう。プラモデルなどを作られる方であれば、パテを使ってもいいと思う。しかし、今僕の手元にはどちらもないのだ。あるのは……比較的強力に接着できる瞬間接着剤だけ。

仮止めをするだけならば、この瞬間接着剤で何も問題はないのだが、この手の接着剤の主成分であるシアノアクリレートは衝撃に弱い。ではどうするか……繊維で強化するしか手はなさそうだ。

まず破断面に薄く接着剤を塗って、割れた半分同士を押し付けて仮止めをする。それから、連結部に干渉しないように注意しながら、破断面の周囲を覆うようにティッシュペーパーを切り出す。これを破断面を覆うように乗せて、瞬間接着剤を染み込ませ、硬化しないうちに気泡を押し出せば……ティッシュの繊維で強化された樹脂で傷を覆うことができる。

これをキーの表と裏、両面に行って、樹脂が硬化するのを待ってから手に取ってみると……よしよし、まあこんなものでしょう。後は組付ければ作業は完了である。いずれはパーツ取り用のジャンクを入手して、キートップを全交換する必要があると思うけれど、それまではこの不細工な状況で使い続けることにする。まあ、こういうことは、たまにあることなんです。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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