Intel C++ / Fortran を入れる

Intel のコンパイラは、以前は必ずインストールしていたのだが、最近はあまり熱心に入れていなかった。これには理由が二つあって、ひとつは、従来フリーではなかなか使えなかった Fortran が、現在は GNU Fortran のおかげで簡単に使えるようになったこと、もうひとつは、僕がメインで使うことの多い AMD のプロセッサ上では、Intel Compiler で生成したバイナリの実行速度が遅い、ということがある。

まあそんなことはあるわけだけど、ある理由から、手元の端末で Intel の処理系を整える必要が生じた。最近あまり Intel 絡みの情報チェックしていないんだけどなあ……と思いつつ、まずは非商用ライセンスが今もあるのかどうかの確認から行ったわけだ。

Intel は、Linux 用の製品を中心に、非営利目的での利用に限って無料で処理系を使えるようにしている。詳細は Intel の "Non-Commercial Software Development" をご覧いだければいいと思うけれど、ここから Intel C++ と Intel Fortran のアーカイブをダウンロードする。

僕が使っている Debian や Ubuntu の場合は、インストールには何も手間はかからない。アーカイブを展開して、展開されたディレクトリ内でスクリプトを走らせるだけだ。後は、インストール後のメッセージに従って、環境変数等を設定するシェルスクリプトを読ませるように ~/.profile 等に記述をするだけでよろしい。

さて……そんなこんなで使えるようになったので、試しにみんな知ってるMDBNCH のバイナリを gfortran と ifort の双方に対して生成して比較すると……うん、やはり AMD 上では ifort のバイナリの方が遅い。うーむ……まあ、とりあえずコンパイルできることが今回の場合にあ意味があるので、まあ仕方ないだろう。早いところ Core i7 とか使える身分になりたいものだ……

TeX Live 入れ直し

先日入れた TeX Live 2011 だけど、どうも動作がアヤしい。いや、TeX Live のせいではなくて、僕が不用意にシステムの領域に OTF パッケージ等を突っ込んだせいかもしれない、と、自分を疑ったのである。

で、思い切って、

$ sudo rm -rf /usr/local/texlive/2011
あ゛ぁ゛〜という感じではあるが、もうさっぱりとやり直すことにする。以下メモ。

$ rm -rf ~/.texlive20*
$ cd ~/texlive/trunk/Master/
$ sudo ./install-tl
("I" 入力でインストール開始。終了後、)
$ cd /usr/local/texlive/texmf-local/tex/
$ sudo mkdir -p platex/misc
$ cd platex
$ sudo cp /usr/local/texlive/p2009/texmf/ptex/platex/misc/* ./misc/
(青空文庫 PDF 化用ファイル他の私用スタイルファイル・クラスファイルの cp 完了)
$ cd /usr/local/texlive/p2009/texmf/packages/
$ tar cf - ./otfcurrent | (cd /usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex ; sudo tar vxf -)
(ptexlive の OTF パッケージをそのまま TeX Live 2011 に移植、以下フォントのリンク)
$ cd /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/tfm
$ sudo ln -fs ../../tex/latex/otfcurrent/tfm ./otfcurrent
$ cd ../vf
$ sudo ln -fs ../../tex/latex/otfcurrent/vf ./otfcurrent
(もし「いや俺ぁ otfbeta がどうしてもいいんだ」という方は、
$ export PATH=/usr/local/texlive/p2009/bin/x86_64-unknown-linux-gnu/:$PATH
などとしておいて、ptexlive のバイナリを利用して makeotf を実行すればよろしい)

$ sudo mkdir -p ../map/dvipdfm
$ cd ../map/dvipdfm
$ sudo cp /usr/local/texlive/p2009/texmf/fonts/map/dvipdfm/ptexlive/aozora.map ./
小塚フォントを埋め込むフォントマップをコピー。Mac ユーザの方は、こっちのヒラギノフォントを埋め込むフォントマップを使われると便利だろうと思う。これらのマップは、日本語縦書きルビ付きの文章においても完全対応させる目的で書いたものである……尚、老婆心ながら書き添えておくけれど、これらのフォントを埋め込んだ PS / PDF は内々に印刷に使用する分には問題ないと思うけれど、そのまま配布すると非常にマズいと思われる。詳細は各フォントの著作権条項等を参照して頂きたい)
$ cp /usr/local/texlive/p2009/texmf/fonts/map/dvipdfm/ptexlive/*.map ./
(pTeXLive 添付のフォントマップをコピーしておく。これをしておかないとフォントを埋め込まない PDF ファイルの生成が面倒なことになるので、やっておく方がよろしい)
$ sudo mkdir -p /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/kozuka
$ cd /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/kozuka
$ sudo ln -fs /opt/Adobe/Reader9/Resource/CIDFont/Koz* ./

(上記青字は Linux で小塚フォントを使用する場合。Mac の場合は以下赤字の通り)
$ sudo mkdir -p /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino
$ cd /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino
$ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W3.otf" ./HiraMinPro-W3.otf
$ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W6.otf" ./HiraMinPro-W6.otf
$ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf" ./HiraKakuPro-W3.otf
$ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf" ./HiraKakuPro-W6.otf
$ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Std W8.otf" ./HiraKakuStd-W8.otf
$ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf" ./HiraMaruPro-W4.otf

$ cd /usr/local/texlive/2011/bin/x86_64-linux/
$ sudo ./texhash

このままだと、babel を使うときに "japanese.ldf がないよー" と文句を言われるので、CTAN から japanese.zipを取得して適当なディレクトリに展開した後、

$ platex japanese.ins
$ sudo cp ./japanese.ldf /usr/local/texlive/2011/texmf-dist/tex/generic/babel/
$ sudo texhash
としておく。

おお!変な warning が出なくなったではないか!やはり local に入れないとダメなのかねえ(後記:これは僕の勘違いで、こうやっていても dvipdfmx が "** WARNING ** 1 memory objects still allocated" を出すのは変わらない……けれど、まあやはり local に入れた方がまし、でしょうね )。

貧困者支援パスタ

ちなみに、この貧困者というのは多分に自嘲を込めて使っているわけだけど、懐具合が寂しいときなど、安く健康に、腹一杯食べたい!というときにお薦めのレシピである。

用意するもの(2人分):

  • パスタ(ペンネ) 200g
  • トマト缶 1缶
  • ぶなしめじ、えのき 各1株
  • 玉ねぎ 1/4〜1/2個
  • にんにく 1かけ
  • 鷹の爪 1〜2本
  • 肉類(ベーコン、ツナ缶、コンビーフ、鶏肉など、お好みで)
  • コンソメ(ブイヨン、中華スープの素でも可。鶏ももなどダシの出るもので作る場合はなくても可)
  • 塩、こしょう
  • エキストラヴァージンオリーブオイル
  • ハーブ(後述)
……と、まあ、こんなものかな。

まず材料の下処理。ぶなしめじは下部の菌床の部分を切り取り、ほぐしておく。えのきも菌床の部分を切り取ってから、フォークの先を根本に刺し、菌床のあった方にしごくようにしてほぐし、根本の細い株を除いて(これは後でソースに入れてしまってかまわない)から、長さが半分づつになるように切っておく。

前に何かのときにも書いたけれど、きのこ類を美味しく食べるコツは「洗わないこと」。もし汚れが気になる場所があるようだったら、刷毛、あるいは濡らして固く絞った布巾かペーパータオルなどで除去する。くりかえすけれど、きのこは決して水で洗わないこと

玉ねぎは頭と根を落としてから半分に割ったものを薄く串切りにしておく。にんにくは包丁などで叩き潰してからみじん切りにしておく。鷹の爪はヘタに近いところを切って種子を抜いておく。

次にパスタを茹でる。パスタを茹でるときは、パスタ 100 g あたり 1 リットル位の水を鍋に汲み、重量比率で 1.5 % 程度の食塩を加えて、煮立たせる。ここにペンネを投入し、時々かき混ぜながら規定の茹で時間茹でる。ペンネの場合だと大体10分程度だと思う。

パスタを茹でる間にソースを作る。まず、辛いのがお好みの方は、あらかじめフライパンに多めのオリーブオイルを入れ、鷹の爪を入れて極弱火にかけ、鷹の爪の色が黒っぽくなってきたところで引き上げる。もっと辛くしたい方は、鋏で細く輪切りにした鷹の爪を使って、オイルに入ったままの状態で以下の工程を行えばよろしい。鷹の爪が黒っぽくなったときに、オイルに赤く色が付いていれば OK である。これも補足しておくけれど、唐辛子の辛味成分は油に溶け易いので、必ずこのようにして辛味成分をオイルに抽出すること。後からたくさん入れても全体の辛味はつかない。

そこまで辛くないのがお好みの方は、鷹の爪とにんにくを冷たいフライパンに入れ、上から多めのオリーブオイルを垂らし、弱火にかけて香りを出す。先の工程を経由された方は、オイルが若干冷めたところでこの工程をやっていただければよろしい。この際に、にんにくと共にハーブを使うとぐっと味に深みが出るのだが、ベーコンやコンビーフを使う場合はローズマリー、ツナ缶や鶏肉を使う場合はタイムをメインに使われるといい。ドライで粉砕されていないものを買うか作る(特にローズマリーは鉢植えで簡単に栽培できるのでお薦めである)かして、鷹の爪やにんにくと一緒にオイルに香りを移すわけだ。

オイルに香りが移ったところで、玉ねぎを投入し、全体に油がまわるまでかきまぜる。ちょっとしんなりしたところで、肉類を投入し、さっと火を通したところで、きのこ類を投入する。きのこを炒めるときは必ず強火で炒めること。軽く塩を振って炒め、表面に水気が出てきたところで、トマト缶と、空になったトマト缶の中を水ですすいで、その水(缶に 1/4 位?)も一緒に鍋に投入する。水気が足りないと思ったら、パスタの茹で汁で調整する。そこにコンソメ(僕は化学調味料無添加のコンソメか、同じく化学調味料無添加の中華がらスープを使うことが多い)を適量加える。ここで味見をして、こころもち控え目に塩味を決め、こしょうを振ってから、ソースのとろみが出るまで中火で煮詰める。

そうこうしているうちにパスタが茹で上がるので、ザル等で湯から取り出してソースの中に投入し、鍋を煽ってソースを絡める。この際に水気が少ないようだったら、やはりパスタの茹で汁で調整すること。ソースを絡めながら3分程加熱し、ソースを十分にパスタに行き渡らせる。

これで出来上がり。仕上げにバジルやミントを刻んだものをかけて全体になじませ、粉チーズをかけていただく。

……というわけで、簡単でしょう?コンビーフ(最近は馬肉入りのは『ニューコンミート』というそうだけど)を使うと、肉の繊維が解れたのがペンネに絡んで、いい感じになる。勿論ツナ缶で作っても美味しくいただけると思う。

あきれて言葉が出ない

「線量計つけず作業、日本人の誇り」 海江田氏が称賛

海江田万里経済産業相は23日のテレビ東京の番組で、東京電力福島第一原子力発電所事故後の作業に関連し、「現場の人たちは線量計をつけて入ると(線量が)上がって法律では働けなくなるから、線量計を置いて入った人がたくさんいる」と明らかにした。「頑張ってくれた現場の人は尊いし、日本人が誇っていい」と称賛する美談として述べた。

番組終了後、記者団に対し、線量計なしで作業した日時は確かでないとしたうえで、「勇気のある人たちという話として聞いた。今はそんなことやっていない。決して勧められることではない」と語った。

労働安全衛生法では、原発で働く作業員らの健康管理に関連し、緊急作業時に作業員は被曝(ひばく)線量の測定装置を身につけて線量を計るよう義務づけられている。作業員らが被曝線量の測定装置をつけずに作業をしていたのなら、法違反にあたる。厚生労働省は、多くの作業員に線量計を持たせずに作業をさせたとして5月30日付で東電に対し、労働安全衛生法違反だとして是正勧告している。

(2011年7月24日0時15分, asani.com)

線量計を外して作業に行くのが勇気?ほー。じゃあ、あんたらはその勇気とやらのおかげでのうのうとしていられるんか?え?線量計を外して作業に行く人達の心境が、全然理解できていないだろう?え?

線量計をなぜ外して作業に赴くのか。それは、いくら線量計がピーピー鳴って、積算線量的にもうこれ以上作業が許されない状況になっても、自分達がやらなきゃ誰も代わりにやれないから、なんですよ。そして、線量上限を超えても、今すぐに何かどうこうなるというわけじゃないから、まあ仕方ないか、という「感覚の鈍麻」が起こっているからなんですよ。何故そのような「感覚の鈍麻」が起きるのか。それは過重労働の場に置かれるからだし、そこで何がどうあっても「これ以上被曝させるわけにはいかないんだ」と頑張る管理者がいない、つまり、まっとうな線量管理がなされていないからなんですよ。なぜまっとうな線量管理がなされないのか。それは、監督官庁やその上の為政者がちゃんとしていないから、でしょう?他にどんな理由があるんですか?

こういう発言を平気でするような人間は、国政に携わる資格などない。菅共々、さっさと消えてくれ。いっそ死んでくれたっていい。さっさと消えてくれ。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

New Entries

Comment

Categories

Archives(902)

Link

Search

Free

e-mail address:
e-mail address

Counter

11657815