別の意味のウルトラC

昼食を摂りながらニュースを観ていたら、民主党代議士会における菅直人の「震災処理に一定の目処がついたら後進に道を譲る」という発言に納得して、鳩山 G と原口氏はどうも不信任案に反対票を投ずる気になった模様。

この菅の「一定の目処がついたら」発言の原因は、国民新党の亀井静香氏に「会期を延長し、原発事故や東日本大震災への対応をしっかりした上で退陣の腹を決めていただきたい」と言われたことによるものらしい。しかしなあ。刻限を切らないこの発言で皆納得するなんて、余程落としどころを渇望していたんだろうなあ、与党議員諸氏は。

しかし、一年前に菅直人が何を言ったか、震災直後に菅直人が何を言ったか、皆さん是非思い出していただきたいのだ。一に雇用、と言ったその雇用の状況は改善どころか日に日に悪化の一途を辿っているし、震災に関しても、この3か月間に何か建設的な進展があっただろうか? 菅直人への不信感が、今回の与党議員諸氏の「予定調和」によって、与党全体への不信感に変わる日が訪れるということを、今回の騒ぎは暗示しているのである。

三つ目の坂

よく言われることだが、人生には三つの坂がある、という話がある。上り坂、下り坂、そして「まさか」の三つだ、というのだが、この午後に、その三つ目の坂が我々の目前に訪れるかもしれない。

昨夜書いた blog では、実際のところどうなのか、ということは書かずにいたのだが、一夜明けた時点ではどうなったであろうか。民主党内には、

  • 小沢グループ
  • 政権公約を実現する会(鳩山グループ)
  • 国のかたち研究会(菅グループ)
  • 新政局懇談会(横路グループ)
  • 民社協会(川端グループ)
  • 凌雲会(前原グループ)
  • 花斉会(野田グループ)
  • 政権戦略研究会(羽田グループ)
  • リベラルの会(平岡・近藤グループ)
  • 青山会(樽床グループ)
  • 『日本のグランド・デザイン』研究会(玄葉グループ)
と、これだけ派閥が存在するわけだが、現時点で明確に反対を表明しているのは樽床G位であろうか。リーダーが明確に反対を表明しているのが前原G、明らかに長が反対の意思を持っているであろうというのが菅G、野田G、玄葉G、そして賛成を明確に表明しているのが鳩山Gと小沢G、態度保留をしているのが羽田Gである。

民主党執行部は、賛成票を投じた議員に対しては以下のような「制裁」をするとしている。

  • 党を除名
  • 解散・総選挙に及んだ場合の推薦取り消し
  • 解散・総選挙に及んだ場合の「刺客」候補の送り込み
僕がこれを見たときに思ったのは、こういうのを「恐怖政治」と言うんだろうな、ということだ。僕は、菅直人という人が、「義」を以て他者に何事かを求めたことが一度でもあるのか、と不思議に思えてならないのだが、今回もまた「義」の対局にあるようなこの対応である。

公明党の山口代表が、周囲にこうもらしたことがあるという。

「あの人には徳がなさ過ぎるよ」

僕は別に公明党のシンパではないのだが、この一言には誠にもってその通り、お気の毒、と言う他はない。義を持たず、徳のない人間が頭になっているからこそ、震災が起きてもうすぐ3か月が経過しようというこの時期に及んでも、状況がこの有様なのだろうから。ここはやはり、荒療治しかないのだろう。そして、菅直人に対しては、この国のために、恥を被っても尚解散を思い留まっていただきたいと切に願うのだ。

明日の本会議で

今日提出された内閣不信任案の採決が行われる。小沢派に加えて鳩山由紀夫氏の周辺でも賛成に回る人々がいるとされる状況下で、明日(程なく今日になるのだが)の雲行きは見えない。

今日の党首討論で自民党の谷垣氏と公明党の山口氏が異口同音に発言していたのは、今回の不信任案が解散総選挙を望んでのもの「ではない」ということである。大連立を考える上でも、とにかく菅直人が総理大臣ではどうしようもない、だから辞めるべきだ、というのが、自民党と公明党の主張だったわけだ。今頃、おそらく民主党内では皆徹夜覚悟で右往左往しているのだろうと思うのだが、もし菅直人が総理を辞任するならば、今回の騒ぎで総選挙ということにはならずに済む(このタイミングで総選挙になったとしたら民主党が記録的大敗を喫することは想像に難くない……と、ほとんどの民主党関係者は考えているだろうから)のかもしれない。

たとえば、超ウルトラCで、国民新党の亀井静香氏を総理に担ぎ出す、なんていうことができるならば、あるいは八方丸く収まるのかもしれない。亀井氏は、今や数少ない菅直人の擁護者だから、彼に席を譲るということならば、ひょっとしたら菅直人も辞める気になるかもしれない……まあ、何が何でも辞めないと言っているわけだけど。

僕は、菅政権以前、先進国最悪の首相はイタリアのベルルスコーニだと思っていた。しかし、効能なきことがこれ程灼たかなる政治家というのが存在することを、少なくともこの1年で厭という程思い知らされた。もう十分だ。政治空白?今のこの現状のことを空白と言わずして何が空白なものか。政治空白をこれ以上拡大させないために、菅直人には、ここで内閣総理大臣の職を辞することを、心から望んでいるのである。

また発熱――その後

微熱とは言っても、まだ37度以上熱があるわけで、某医者のところに行って相談すると、

「風邪ですか?あーじゃぁ PL とフロモックス出しときましょう」

毎度のことだけど、いいのかなあ、こんな安易に処方してもらって。いや、まあ、それを僕の方でも利用しているわけだけど。普段は風邪のときには抗生物質の服用には熱心ではないのだが、今回は鼻と喉の粘膜をすっかりやられてしまっているので、フロモックスは有り難い。ということで、薬を貰って家に戻る。

皆さんも御経験のおありのことだとは思うのだが、こういうときってどうも中途半端でいけない。一応床は上げたのだけど、しんどくって横になる時間が多くて、こうして書きものをしていると、厭な汗がじわじわ出てくるし。本当に、風邪というのは厭なものだ。

さっき夕食を食べ終わったところなのだけど、また熱が上がってきた。一時は36度台になっていたのが、また微熱状態である。しんどい。やはり耳鼻咽喉科に行くべきだったか。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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