的中

昨日からの嫌な予感は、思いもかけぬかたちで「的中」することになってしまった。

2日程前から、どうも奥歯の辺りが痛かった。歯肉炎を起こしてこうなることが時々あるので、今回もそれかと思っていたが、どうも痛みが激しい。知人の医師に無理矢理ロキソニンを処方してもらい、飲んだのだけど、どうも、やはり痛い……うーん、どこだろう……まさか……被せてある下か!

歯科医院に行くと、ずばり的中、しばらく通うことになってしまった。はあ……

嫌な予感

ここ最近、この blog でも言及している、いわゆる「メルトダウン問題」だが、どうも考えれば考える程、嫌な予感がしてならない。いや、まさかそんなことが……と思うのだけど、でも、そんなことが現実になっている今日この頃だからである。

始まりは、あの CH-47 にバケツを提げて海水を汲んでかける……という、あのときである。僕は、あまりのことに、しばし言葉が出なかったのだ。だって、冷やすべき対象は、格納容器の中にある圧力容器の、そのまた中にあるのだから。マトリョーシカに水をかけて、一番中の人形を濡らそうとする人がいるだろうか?それを大真面目にやって、挙句の果てには、細野豪志首相補佐官などは「これのおかげで『日本は本気で事態を収拾しようとしている』とアメリカに分かってもらえた」などと言っていたのである。

僕はあのとき、ああこの政府は愚か者の集合体なんだ、と思っていたのだ。しかし、この何日間の状況、そしてそういう状況を示す情報が五月雨式に出てくることなどを考えると、ひとつの恐ろしい考えが頭に浮かんできてしまうのだ:「あのとき、ヘリがあんな風に水を撒いて、炉内に水が入るような状況だったとしたら?そして、そういう状況であることが、今に至るまで隠蔽されているのだとしたら?」そして、こう考えると、原発敷地内にある瓦礫の一部が、あれ程高い線量を発している理由も説明がついてしまうのである。

炉心溶融に関して、東電や政府は比較的早い時期に認識していたに違いない。まあ、そういうことが起きていなければ、あの汚染水の説明もつかないし、それ以前に、あれだけ水を突っ込んでも水位が上がらないということの説明がつかない。今まで彼らがその事実を認めていなかったのは、おそらくは「認めたくなかったから」だろう。その程度の予測は僕もしていて、たとえば2011年4月6日の blog にそういうことを書いている。

しかし、もしも炉心が大気開放なんていう状態になっていたとしたら、これはとんでもない話である。まあ、僕の杞憂であると信じたいのだが、あいつらはもう背任行為だろうが何だろうがやりかねない、ということがこれではっきりしてしまったからなあ……

きっこ、逐電?

きっこのブログ』というのは、なんでも、ブログ業界ではたいそう有名なのだそうだ。僕は実はあまりよく知らない。そもそも僕自身、アクセス数を誇るために blog を書いているわけではないし、blog を書き始めてからの年数だったら、えーと……もう十数年書いているわけだから、別にそんなものを今更誇る必要もない。読んで下さっている方々が確実に存在し(最近はそういう方々とちゃんとやりとりしていないのだけれど)ているし、まあそういう方々は日々何事かを思って読んでおられるのだろう、と思っているのだが、それ以上のことを、正直あまり考えていない。勿論、軽々にものを書くことは問題があると思うし、ハンガリーの汚泥流出事故のときなどのように、僕の書いたものが情報源とされることもあるので、そういう意味での責任は負っているつもりだけど、それ以上、世間でそれが話題になるかどうかに目を向けているわけではない。ましてや、他人の blog に関して、そこまで興味を持っているわけがない。

で、僕は最近 Twitter も覗いているのだけど、この『きっこのブログ』を書いているきっこなる人物が、東電福島第一原発のメルトダウン報道を受けて、もう日本にいるのは危険なので国外に逃げる、という発言をして、話題になっている。僕はこのきっこなる人物のフォローをしていて、たまたまその発言をリアルタイムで目にしたのだけど、えーと……これかな:http://twitter.com/#!/kikko_no_blog/status/69408172053495808

このままだと北半球は終わるので、あたしはカナダ経由でオーストラリアへ逃げることを考えます。自分のことで忙しくなってきたので、しばらくツイッターから離れます。皆さんも自分のことだけを考えてください。GOOD LUCK!

何故、このような発言に至ったのか、と、このきっこなる人物の発言を遡及すると、こういう発言があるわけだ:http://twitter.com/#!/kikko_no_blog/status/69403508377530369

東電が1号機だけでなく2号機も3号機もメルトダウンの可能性を認めました!東日本だけでなく、中部、近畿、関西も厳しい状況になりました。チェルノブイリを前提とすれば中国地方の島根県までアウトです。避難するなら海外か、国内の場合は九州を目指してください!
うーん。まあ、建屋外の状況や汚染水の蓄積状況からみると、少なくとも3号機に関しては、1号機と同じような状況になっている可能性が高い、ということは、僕も前に書いた。しかし、今回の事故を、そのままチェルノブイリ原発事故と重ね合わせる、というのは、ちょっとそれは違うんだけどなあ、と思うわけだ。

チェルノブイリ原発で使用されていた原発がどういうものか、というのは、Wikipedia のエントリ「黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉」を御一読いただければ、概略はお分かりになるかと思う。この原子炉は、減速材である黒鉛のブロックを炉体として、燃料被覆体を更に被覆するように設けられた経路に水を流し、熱を取り出す構成になっている。この炉の運用において問題だったのは、この炉の安定性に重大な問題があった(簡単に言うと暴走し易い特性だったということ)と、いわゆる「封じ込め」が万全ではなかった、ということである。特に、この炉は炉の上方の封じ込めが万全でなく、その状態で爆発が起こったために、炉心が外界に完全に露出し、周辺には炉内の核燃料やプルトニウム、そして黒鉛ブロックの破片を中心とする、炉内の構成物が大量に飛散してしまったわけだ。

今回、炉心溶融で燃料棒がほぼ融け落ちている、というのは、格納容器に包まれた圧力容器の、その中での状態である。もちろん、圧力容器や格納容器の健全性は維持されていないことが分かっているわけだけど、チェルノブイリのときのような、炉内が外界に完全に開放された状態と比較すると、まだナンボもましな状態なのである。しかも、燃料の成れの果てである核物質は、今のところは少なくとも水に覆われている。水は汚染されるわけだけど、大気開放で塵が飛散している状態に比べれば、これもナンボもましな状態である。

前にも書いたけれど、これからこの福島第一の炉は、再臨界を起こさないように注意しながら、水による冷却を継続しなければならない。水が存在することは中性子が減速される、つまり臨界に至りやすい状況を作り出すけれど、冷却しなければ、更なる容器の破損を来すことが確実である。これはまさに無間地獄とでも言うような状態なわけだ。しかも、水を突っ込めば突っ込んだだけそれは汚染されて出てくる。どうにかして洩れは塞がなければならない。東電や政府が考えているような、コンクリートで埋めるようなことで漏水を阻止できるとは到底思えない。場合によっては、決死隊のような人達が内部で作業しなければならなくなるかもしれない。しかし、それでも、核物質の飛散という観点においては、これはチェルノブイリと同じ状態には程遠い。

東京の下水処理施設3か所の汚泥から、10万〜17万ベクレルという高濃度の放射性セシウムが検出されたというニュースも流れていて(http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051301000689.html)、不安になるのも無理はないし、実際、健康面で今後問題が出ない保証はない。しかし、繰り返すけれど、今回の福島第一原発の状況を、そのままチェルノブイリの状況に重ねるのは、無意味な行為である。たとえば、今回の汚染範囲と汚染状況を、日本の地図にチェルノブイリの汚染マップをそのまま重ねて評価する、というのは、これは論理的根拠のない行為である。この点だけは、何が何でもはっきりさせておかなければならない。不用意なアジテーションで右往左往してはならないし、ましてやさせてはならないのである。

なぜ僕がiPodのファイルを非圧縮にしているか

昨日、Al Kooper の話を書いたときに、彼のアルバムを非圧縮で iPod に入れている、と書いた。しかし、どうも、こういうことを書くと各方面から色々とチャチャが入るもので、

「そんなん区別なんかつかないでしょう」

と言われた。ここではっきり言っておくけれど、圧縮の有無は確実に聞き分けられます。できない人には支障はないんでしょうけれど、僕にとってはこれは非常に大きな問題なんです。

こう書いても、じゃあ実際に例を提示してみろ、と言われそうだから、提示しておくことにする。

老婆心ながら書き添えておくけれど、これらの音源は、曲を書いたのも僕だし、アレンジ(ストリングセクションのアレンジは僕みたいな音楽指向の人間にとっては教養の一部なので)も、演奏(と言っても半分はコンピュータに演奏させているわけだが)も、録音も編集も全部僕がやっているので、著作権がどうとかいう問題は一切なしなので念の為。

こういう管弦楽モノより、実はロックなどの方が違いは分かりやすい。特にピアノや、ハイハット、シンバルのような倍音成分の豊富なものは、改めて聞き直していただくとその違いを実感していただけることだろう。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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