小康状態

この blog に、このひと月程の間、何度となく SPAM 的なコメントがされ続けてきた。こういうときは、アクセスログを徹底的に解析するわけだけど、それも面倒な話である。

それにしても、僕の blog にバーバリーがどうのとかシャネルがどうの、と書き込んでも、とてもじゃないが売り上げが上がるわけがない。そもそも、そんなものに飛び付くような輩がこの blog を読みに来るとは思えないからだ。だから、僕の blog に粘着的にコメントを書き込んでも、商業的には何ら利益はないはずだ。それにも関わらず、このような書き込みを繰り返すのは、相手が余程ヒマ、かつ馬鹿なのか、それとも、いつぞや(その1 その2)のように、僕に対する一種の攻撃なのか、という可能性を考える必要がある。

アクセス元を調べてみるが、アメリカを中心に複数のサイトから行われている。しかし、どうも単純な spoofing だとは思われない。まあ Windows でアンチウイルスをちゃんとやっていない端末を乗っ取って、一種の proxy みたいにしてアクセスを行っている可能性だってある。とりあえず、片っ端からアクセスコントロールをかけることにする。

ちなみにこの blog がどこで読まれているか、という話だが、日本、アメリカ、ヨーロッパが多い。結構世界中からアクセスが来ているので、同業(?)関係者が多いんじゃないかと思うのだが、実際には中国辺りからもアクセスは来ているのかもしれない。以前の書き込みとの類似性から、今回のこの書き込みも中国からではないかと疑っているのだが、このグローバルなご時世、中国からのアクセスは .cn からだけではない。中国国内の .cn ドメインからのアクセスだったとしても、金盾をクリアする目的などで妙な proxy も使われているんだろうから、baidu のクローラー位しか、完全に特定できる書き込みはない。

書き込みを行っている輩の「持駒」と思しきアドレスを全てカットして、この数日は書き込みのない状態を維持している。しかし、これで今回の騒ぎが収まったとも思えない。それにしても、暇な馬鹿というのは本当に有害だ。人の貴重な時間を無駄にさせやがって。正体が分かったら、もう二度と fugenji,org にアクセスしたくなくなるようなメに遭ってもらうことにしよう(いや、あくまで合法の範疇でね)。

深夜停電

深夜1時位のこと。原稿を書いていたら突然電源が落ちた。おいおい、勘弁してくれよ……と、ブレーカーをチェックしてみると、マスター、サブ、いずれも落ちていない。ん?どういうことだ?

そのうち、妙なことに気付いた。一部の系統が生きているのである。正確には、3つあるサブのうちの1系統だけが生きている。玄関とキッチン、室内灯以外が生きている……とりあえず、冷蔵庫が生きていることで、まずはほっとした。給湯も生きているはずだから、シャワーを浴びるのには問題もないだろう。最低限の生活に支障がないことを確認して、とりあえずはほっとした。

しかし、これって一体どういうことだろう。外に出てみるが、同じフロアの他の部屋の様子はよく分からない。うーむ……しかし、マスターブレーカーの下にひとつでも生きている系統があるってことは、おそらくこれは室外だろう。ということは、このフロア全体、下手をするとこの建物ごとのトラブルかもしれないのだ。

とりあえず電力会社に電話をして、キッチンからタップで電源を引いてくる。よしよし、これで書きものはできるぞ、ということで、原稿を書きながら到着を待つ。

20分程して、外でクルマのドアを閉める音が聞こえた。来ましたね……電力会社のサービスマンが2人やってきた。彼らはプローブでブレーカーの端子をチェックしながら……

「あー、1相死んどるわ」

これで、何が起きているのか分かった。電源は、建物の手前まで三相交流という三線の形式で来るのだが、外のトランスで単相三線という形式に変換される。これは、交流2系統と共通のアースで、やはり三線になっている。この三線のうち、アースでない2本のうちのどちらかが切れている、ということだ。

二人のサービスマンは配電盤を見に行き、帰ってくると、

「このフロア全部落ちてるはずなんですが……」

と言っているところに、一番端に住んでいる女性が出てきて、

「あのー、電気がー」

あー、やっぱし。ということで、配電盤のヒューズ(ここの配電盤は未だにヒューズらしい!おいおい)を交換して復旧完了。時計を見るともう二時だ。もう、勘弁してくれよ、本当に……まあでも、朝にならずに済んだし、原稿も校正前の段階までは書けたし。しかし精神衛生上よろしくないよなあ……

……出題ミス?

ふとしたきっかけで、この春の愛知県公立高校入学試験の国語の問題というのを見ていた。

どうも、最近の中学国語というのはヘナチョコな代物のようで、漢文や古文は、いわゆる白文読みというのは一切出題されないらしい。古典・漢文共に現代語訳付きで、漢文に至っては書き下し文しか掲載されず、返り点のひとつも目にすることがないのだ。なんだかなあ……と思いつつ、その漢文の問題なるものを見ていたときのことだった。

2013年B日程の問題で、書き下し文が以下のようになっている:

管仲・隰朋、桓公に従って孤竹を伐つ。春往いて冬返り、迷惑して道を失ふ。管仲曰はく、「老馬の智用ふべきなり。」と。乃ち老馬を放つて之に随ひ、遂に道を得たり。山中に行くに水無し。隰朋曰はく、「蟻は、冬は山の陽に居り、夏は山の陰に居る。蟻壌一寸にして仭に水有り。」と。乃ち地を掘り、遂に水を得たり。管仲・隰朋の智を以てすら、其の知らざる所に至れば、老馬と蟻とを師とするに難からず。今人其の愚心を以て聖人の智を師とするを知らず、亦過ちならずや。
……で、この後に現代語訳が書かれ、その後に問題が続いているのだが、現代語訳の後ろの方を見ると、「(『蒙求』による)」と書かれている……へ?いや違うでしょう?

この漢文は、いわゆる「老馬の智」の基になった話なのだけど、僕が知る限り(そして weblio にも同じことが書かれていたけれど)、これは『韓非子』に載っているものだ。どうして『蒙求』なんて話になるんだろう?

改めて調べてみようと思い、岐阜女子大学・文化創造学部の住谷芳幸教授が公開されている、『蒙求』『蒙求聴塵』『蒙求抄』を電子化したデータを調べてみると、そもそも『蒙求』には管仲の名前すら出てこないのである。周辺を探してみると、『蒙求聴塵』の中に、

○管仲 春―春出陣して冬歸陣す 管仲曰―老馬は道を知る也 隰朋―山の陽は南也 山の陰は北也 蟻壤―蟻つか一寸あれは七八尺(の)下(した)に水あるもの也 仞は七尺也 今人不知―此は韓非子か評也 今(の)人は愚にして管仲ほともなく 5ウして聖人の智を師とする事を知らさるは過也
という記述があるのみである。

まあ、でも、これで明白でしょう。この出題者は、自分では『蒙求』なんか読んでいないに違いない。出題時にチェックすらしなかったに違いない。『蒙求聴塵』に、『韓非子(説林上)」にオリジナルが書かれているこの話が要約・掲載されていることを、どこで読み齧ったのか知らないけれど、この手のミスが示すことは明白だ。引用者はオリジナルにあたっていないのだ。よくもまあ、こんないい加減に作った問題で、人の人生左右するような試験をやってくれるよなあ。こんなの許し難いと思うけれど。

IP2 その後

初めてのカナル型イヤホンとして AKG IP2 を買って、エイジングがようやく終わって、本腰を入れて使い始めた。

それにしても、カナル型イヤホンというのは難しい。パッドと耳道のフィット具合で低音の感じががらっと変わってしまう。要するに、密閉度が高い程低音が出易いということなのだろうけれど、この塩梅が本当に面倒なのだ。

IP2 には3種類のパッドが付属しているのだが、僕の場合、中位のサイズでは低音がややプア、大きいサイズでは低音が出過ぎ、という感じである。耳が衰えるのが怖いので、今は中位のサイズのものを使っているのだが、中と大の間というのがあれば、ぜひ試してみたいところである。あと、これから予想され得るところだけど、耳をちゃんと掃除していないとダメダメな状態になるわけで、これも問題なのである。

しかしなあ。こうもナーヴァスだとは思わなかった。どうせ世間の大半の人々は低音ボッコボコなのをよしとしているんだろうけれど。ロック好きでも、そういうのは我慢ならないのだ。いや他人のことは知りませんけれどね。自分では、そんなジャンクフードみたいな音は御免被る。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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