今日の heavy rotation

どなたでもあることだろうと思うのだが、ふと聴いた音楽がずっと頭の中で鳴っている、というようなことがある。まるで FM のヘビーローテーションのようなのだけど、今日の僕の場合はこれである:

Neil Sedaka は、いわゆるポップアイドルの時代から不遇の時期を経て、1970年代に数々の名曲を残しているのだけど、特に有名なのは、エルトン・ジョンのレーベルである "Rocket" で出したアルバムである。僕は "The Hungry Years" というアルバムが好きなのだけど、この "Bad And Beautiful" という曲は、その次の "Steppin' Out" に収録されている。

アニメ関係に明るい方は、この曲を聴いて「あれっ?」と思われるだろう。この曲に日本語詞を付けたものが、某アニメのエンディングに使われていたことがあるからだ:

……いや、アニメ好きな方には悪いんだけど、やっぱり僕はオリジナルの方がいいですよ。やはり、その曲を書いた人しか出せないものがあると思うし、今聴くと幻想的な原曲のアレンジの方が古さを感じさせない(弦なんか生じゃないのにね)。

インプットメソッドの変更

僕は普段から GNU Emacs 上で SKK というインプットメソッドを使用している。これに慣れると、どれ程辞書が賢いものであろうとも、他のインプットメソッドを使う気にはなれないので、普段使用している Linux の X 上でも、SKK ベースのインプットメソッドを使っている。

UNIX 系のシステム上で使用されるインプットメソッドのフレームワークにはいくつか種類があるけれど、おそらく世間では SCIM とか uim とか IIIMF とかがメジャーなのだろうと思う。その上で使用されるインプットメソッドとしては、Anthy とか Canna とか、最近だと Google 日本語入力 / Mozc とかを使うのだろう。「……だろう」と書くのは、僕自身がこういうインプットメソッドを使わないからである。

先に挙げたようなインプットメソッドフレームワークでは、その多くで SKK 準拠のインプットメソッドが提供されている。しかし、インプットメソッドフレームワーク特有のキーバインドが、SKK 固有のキーバインドとぶつかることが少なからずある。まあ細かい設定をすれば回避できないこともないのだろうけれど、そこまで僕には SCIM や uim にこだわる気がない。そもそも、X 上では昔から skkinput (2, 3) という軽量なインプットエンジンが提供されていたので、僕はずっとこれを使ってきた。先に挙げたようなシステムも勿論一度は試しているのだけど、skkinput 以上にシンプル、かつ十分なものに出会わなかったのだ。

しかし、時間の経過というのは残酷なものである。Debian GNU/Linux において、sid ではもう skkinput はパッケージリストから外されている。手元にあるソースからビルドして使い続けてきたのだけど、今後のことを考えると、未来のありそうな環境に移行しておいた方が、明らかに安全だと思われる状況である。

さて、ではどうするか……という話である。色々検討した結果僕が選んだのは IBus である。以前は、このフレームワーク上で動作する SKK ベースのインプットメソッドがない時期もあったのだけど、幸いなことに、Daiki Ueno 氏の ibus-skk がかなりいい感じで、しかも他のフレームワークで問題になるキーバインドの抵触が、IBus + ibus-skk の場合は(少なくとも今のところは)全く気にならない。ここまで確認したところで、思い切って、長年慣れ親しんだ skkinput を廃止することに決めた。

かくして、今のこの blog のエントリも IBus + ibus-skk で書いているのだが、至極快適である。コンピュータを使っていると、こういうことは不定期に必ずあることなのだけど、自分のものを書く上でかなり重要な部分だし、久方ぶりの更新でもあるので、ちょっと blog にメモしておきたかったのだ。

今年もジャムを煮る

2010年11月7日の日記でも書いたけれど、僕は時々ジャムを作ることがある。季節によっていくつか種類を作るのだけど、この時期には何と言っても林檎である。

林檎のジャムの作り方を知りたい方は2010年11月7日の日記を御参照いただきたい。3つのポイント:

  • 林檎は必ず「紅玉」を使うこと
  • 砂糖は林檎の重さの 30 % を基準として調節すること
  • 皮や種子は一緒に煮ること
さえ守ってもらえば、そうそう失敗することはないと思う。

そう言えば、以前に誰かと林檎のジャムの話になったときに、紅玉じゃなくても作れます! と強硬に主張されたのだが、そりゃあ紅玉でなくたってジャムは作れる。もともと紅玉というのはアメリカ発祥の Jonathan という品種なのだけど、おそらくヨーロッパではこの品種を入手するのは困難だろうと思う。しかし、ヨーロッパでも美味しい林檎のジャムや焼き菓子はちゃんと存在するから、そういうものに使える品種が代わりにあるのだろうと思う。

僕が、林檎のジャムは「紅玉」を絶対に使うべきだ、と書いたのには理由があって、ジャムに用いる林檎の要件:

  • 酸味が強い
  • 香り高い
  • 肉質が細かく、加熱するとさらりと煮溶けてくれる
を満たしてくれる品種が、現在の日本には紅玉以外にほぼ存在しないからだ。生食用の林檎は、糖度を上げることに重点が置かれた結果、甘味以外の味わいや香りが犠牲になっているので、ジャムにした場合は酸味も香りも足りないし、口触りがザクザクした感じになってしまう。

世間の料理や菓子の入門書では、これ見よがしに、レモン果汁やペクチンなどを足したレシピが書かれていることがあるけれど、そもそも酸味は林檎それ自体に十分にあるはずのものだし、ペクチンは林檎の皮や種子に十分過ぎる位入っている。そういう林檎があれば、そもそも小細工など何もいらない筈なのだ。

しかし、昨今の状況を鑑みるに、この林檎のジャムだって、いつまでもできるのかどうか判然としない。紅玉を店頭で見かける機会はどんどん少なくなっていくし、その価格も決して安いとはいえない。今煮ているジャムに使った林檎は、1個140円もした……これも決して相場の中で高いとは言えないのが、今の状況である。

風邪?

知人のM女史が風邪をひいた。僕がM女史に会うときには彼女はマスクをしているので大丈夫だろうと思っていたのだが、どうもウイルスを貰ってしまったらしく、今日になってから、鼻がムズムズしてどうもいけない。

風邪といえば、今年の夏の始めに緑膿菌に喉をやられたときのことを思い出す。このときは、一番近くにある耳鼻咽喉科を受診したら、ろくに内診もせずに抗生物質だけ渡されて、後で違う耳鼻咽喉科に受診し直したのだった。もうあの一軒目の耳鼻咽喉科には絶対に行かないようにしようと思っている。

ひとつ気になっているのが、最近 RS ウイルスの感染が流行っていることだ。大人が感染した場合、たいていの場合は鼻風邪程度で済むものの、場合によっては気管支炎やインフルエンザ様の症状が発現して、まれに重篤な状態に至ることもあるらしい。この RS ウイルスには抗ウイルス薬のシナジス© が有効であることが分かっているのだが、このシナジス© というのが、まあ、実に馬鹿みたいに高いクスリなのだ(詳細はこちらを御参照下さい)。大人に投与することは、おそらく事実上無理と言っていいだろう。乳幼児の場合、たとえば早産で生まれた子などに対して、主に予防的に用いられるようだけど、2割負担としてもとんでもない額がかかることになる。

戦後の混乱期、結核に対するストレプトマイシンなどは、おそらくこういう感覚の代物だったのかなあ、などと思ったりする。遠藤周作の『快男児・怪男児』という小説で、淡い恋心を抱く男のために春を鬻いでストレプトマイシンを送り続ける女性が出てくるけれど、病というものの残酷さは、常人に手の届かない処に特効薬があることで、かえって更に際立ってしまう。おそらく、RS ウイルスとシナジス© においても、この薬価故の辛い話があるような気がしてしまうのだ。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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